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竹島問題・国際司法裁判所の活用を

韓国大統領の竹島上陸をめぐって、政府は竹島の領有権問題について国際司法裁判所に提訴を検討するということだ。国際紛争の解決のため、国連には常設の国際司法裁判所がある。世界の法律専門家から信望のある人を集め、双方の主張を聞いて判決を出してくれるのだが、残念ながらあまり実績をあげていない。当事国の双方が同意しないと裁判を始められないからだ。

日本も過去に2回、国際司法裁判所での解決を提案しているが、韓国に拒否されている。今回も韓国が拒否することを見越して国際的な関心を集め、裁判に応じない韓国への批判が起こることを期待しているのではなかろうか。私も国際司法裁判所の活用には賛成だが、理由は少し違う。双方の主張が第三者機関によって精査され、両国の国民が、互に相手国の主張をよく知ることが大切だと思うのだ。この観点で韓国を説得できないだろうか。

私は2006年に「竹島は韓国にあげよう」というブログを書いたことがある。かなり刺激的なタイトルだったが、特段の強い反応はなかった。このときは教科書への記載の問題だった。わずか6年前のことだが、日本の国民感情は、当時と比べてかなり不寛容になっているのではないかと憂える。内政が不安定なときに、外国と事を構えて国内世論の統一を図るのは、為政者が伝統的に使ってきた便利な手法でもある。

国際司法裁判所は、提訴された「被告」国を強制的に裁判所に呼び出すことができないという弱点がある。また裁判は一審制で、上告できる制度はない。しかし決められた合意事項は当事国を拘束するし、審理の途中で当事国同士が「和解」することもできる。安全保障理事会が国連の刑事裁判所の機能を持つのに対して、こちらは国際的な民事裁判所に相当するようだ。

国際司法裁判所への提訴を、韓国への攻撃の手段とするのではなく、和解のための冷静な論点整理の場とするように、ねばり強く韓国を説得してほしいと思う。かつては竹島問題を第三国の仲介で解決しようとした時期があったということだが、せっかくある国際司法裁判所を活用する方が筋が通っている。国際的紛争を話し合いで解決する場として国際司法裁判所を活用する道を、日韓が協力して開発し、先例とすることを強く願っている。

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