人工呼吸器そのものを増産しても、人工呼吸器を稼働させるために必要な薬剤と技師とが不足していて、医療機関の貴重な減圧スペースに使われない人工呼吸器が次々と運び込まれているさまを見ると悲しい気分になります。
また、人工呼吸器を使って生命を繋いだとしても、概ね回復するのは18%とか2割程度であって、それでも回復することは大事なのですが、病院に入って人工呼吸器を使われる状況に陥った時点で後遺症なく出て来られる保証は高くないことはもっと知られるべきです。
そして、医療関係者が事情説明で発する「軽症者は自宅に」という単語ですが、一般国民からすれば「軽症とは『熱があってダルいなあ』という症状」に受け止められがちです。しかしながら、実際にはここでいう軽症は「高熱があって、意識はもうろうとしているけど問題なく呼吸はできている状態」のことを指します。
今後、アウトブレイクが都市部で起きて、次々と「重症だ」と思い込んだ国民が救急車を呼ぶことが容易に想像できるわけですが、医療機関がパンクする理由というのは何となく不安だからPCR検査をしてくれと殺到するというフェイズではなく、この具合の悪さを軽症者が我慢できなくなり救急車を読んだり医療機関に駆け込んだりするリスクのほうが大きくなるフェイズに入ったのだと言えます。
そして、人工呼吸器ではなく人工心肺装置(ECMO)まで装着される事態となると、後遺症なく退院できる可能性はとても低くなります。欧米で若い人たちの死者が増えている理由もこの辺にあるようですが、現状では中国・武漢発のオリジナルな新型コロナウイルスではなく、欧州で変異した感染力・毒性が高いRNAを持つ亜型が猛威を振るっているとされます。
輸入感染者が問題視されるのはこの毒性の強いタイプの新型コロナウイルスが拡大することを警戒しなければならないためで、いままではクラスター対策として感染ルートを特定し、濃厚接触者を徹底的にケアすれば感染拡大を防げる状況ではなくなりつつあるのかもしれません。
感染拡大を防ぐために徹底して外出を自粛し、手洗いなどの衛生状況をまもることが重要であることには変わりないのですが、政府の対応や、検査拡大に対する考え方もフェイズの進展によって変わっていくものなのだという理解をしておくべきではないかと思います。
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