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鳥貴族が「おかわり自由のキャベツ盛」を提供している恐るべき理由

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儲かっている飲食店は、さまざまな鉄則を守っている。飲食店特化型コンサルタント・須田光彦氏は「鳥貴族など人気のある居酒屋は、おかわり自由のキャベツ盛を出すことが多い。これはお酒の注文を増やすための施策で、とても効果がある」という――。

やきとり
写真=iStock.com/ma-no

客寄せパンダ的メニューは原価率が4~6割かけるケースも

儲かる飲食店を立ち上げようとして、メニューを作るときには「集客商品」と「利益獲得商品」の2つを考える必要があります。

集客商品とは、誰でも名前を見聞きした瞬間に、味をイメージできる料理です。集客商品は、ほかのお店と比べて圧倒的に価値が高い(たとえば、値段の割においしい、ボリュームがある、すぐに提供されるなど)ことが重要になります。この集客商品を確立できると、お客さまに「あそこは○○のお店でしょう」=「○○がおいしいお店」と認知され、記憶されることになります。

「ああ、あのトンカツがうまい店でしょう」(焼肉屋だがランチメニューのトンカツがおいしい)

「あの焼鳥屋でしょう」(本来は海鮮居酒屋だが焼鳥がおいしい)

こうなると、集客商品のおかげでお店が認識されている状態なので、店名では呼ばれません。

集客商品は、高単価商品ではなくて、扱いやすい食材を使って、低単価で誰でも頼めるものがいいでしょう。1000円以下、できれば500円以下で、どのテーブルにも必ず1つは置かれている、あるいはビールやハイボールととても合うので1人に1つずつ頼んでもらえるとなれば最強です。

こういう商品は、必ずオーダーされるのがわかっていますから、まとめて大量に仕込むことができ、キッチンのオペレーションが楽になります。

集客商品は「客寄せパンダ」なので、「損して得取れ」の発想で、最大の価値を提供するためにはあえて原価率を高くすることもあります。「損して得取れ」の精神でお客さまに最大限の利益を還元する、価値を提供するということですから、原価率が4割、5割、場合によっては6割になってもいいという覚悟の商品です。

繁盛店は「商品の原価率は30%にするべし」という鉄則を無視する

利益率の低い集客商品でお客さまを集める一方で、利益獲得商品を用意し、こちらで確実に利益をとります。

日本の居酒屋メニューの様々な料理
写真=iStock.com/deeepblue

利益獲得商品は原価率が15パーセントないし、20パーセントを切るくらいの商品もので、きちんと利益が取れるように設定します。理想をいえば、集客商品とセットで注文されるようものが望ましいです。

※原価率は「原価÷販売価格」、利益率は「利益÷販売価格」で計算する。

飲食店業界には「商品の原価率は30パーセントにするべし」という鉄則みたいなものがあります。私は単なる幻想だと思っているのですが、これを信じ込んでいる人が多い。

たとえば、原価100円のものを450円くらいで売りたいのだけれども、原価率は30パーセントでなければならないと思っているから300円で売ってしまうということがよくあります。ほとんどのお店で行われていることです。

こんなことをしていては、儲かるものも儲かりませんし、利益を上げることはできません。商売はいつまでもしんどいままです。

しんどいだけではやっている意味はありません。「ビジネスなのだから、儲けるところはきちんと儲けましょう」というのが、私の言いたいことなのです。

たとえば、お客さまから3000円いただきたいということであれば、3000円に匹敵する価値を提供するという発想が自然に出てくるはずです。あるいは、4500円いただきたいというのであれば、お客さまが4500円払っても満足する、あるいは4500円払って得した気分になるような価値が高いものを提供すればいいのです。それができれば、「あのお店はすごいよ(価値が高い)」という評判が広まるのです。

つまり、お客さまの期待以上の価値を提供する、それが儲かる仕組みなのです。

よくいわれている「原価率30パーセント」というのは、「集客商品や利益獲得商品などすべての商品をまとめて計算すると、最終的にそれくらいの原価率に落ち着くことが多い」というくらいのとらえ方で十分です。

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