記事

森友問題で自殺者出した財務省 疲弊する公務員に報酬を

1/2

「森友問題」で2年前に自殺してしまった財務省近畿財務局の職員・赤木俊夫さんの遺書が週刊文春で公開されたね。赤木さんは上司から公文書改ざんを命じられ、抵抗しながらも泣く泣く違法行為に加担してしまった。その経緯と苦悩が赤裸々につづられていた。

"悪さ"した側が出世 やるせない結果に

財務省による組織ぐるみの公文書の改ざん。実にその数、数十か所。当時、その作業に関わった職員はみな人事異動になったが、赤木さんだけ異動がなかった。そのまま行けば改ざんに関わった部署の人間として、上司の分もすべて自分に罪を背負わされ、トカゲの尻尾切りにされるだろうと赤木さんは心身追い詰められてしまったという。

だから自分の身に何が起きているのかを文章に書き残した。そこには本来、罪に問われるべき人物たちの実名も明確に記してあった。

共同通信社

この改ざんに関わった赤木さんの上司や、財務省の重職者たちは、その後みんな出世。トップに立って改ざんを指揮命令したという当時の理財局長・佐川さんは、国会で「答弁を差し控えさせて頂きます」って40数回言って何も答えず、そのあとしばらくして国税局長に出世しちゃった。

これって時代劇だったらスジふり部分、物語の前半だよな。そのあと後半になって悪事が根こそぎバレて大岡越前の「大岡裁き」で成敗される、それが普通の時代劇だ。だけど21世紀の日本では、すでに結審した大阪地検の「大阪裁き」で全員不起訴・・・。お咎めなしで皆さん出世、悪さをしてもめでたしめでたし・・・って、やるせなくって言葉もないよ。

その後、同じ仲間であると思っていた財務省から他人行儀に冷たくあしらわれるようになり、それではあまりに赤木さんが浮かばれないからと、奥さんが遺書の公開を記者に託したわけだ。そして、これからは裁判を通じて隠された事実を明るみにすることで、夫の思いを晴らしたいという。ぜひ真実が国民に明かされるようにと思うよ、ホントだよ。

公僕の中の公僕 役人の心構え

この赤木さんの口ぐせが「僕の契約相手は国民です」だったそうだ。一人の公務員として上を見れば上司や政治家がいるけど、公務員である自分は彼らに雇われているわけではない。公務員の給料は税金であり、国民の為に働くことで給料を得ている。公金で禄を食む、まさに「契約相手は国民」ということだ。大いにうなずけるね。

でね、コロナウイルス問題で、台湾の迅速な対応が世界から評価されているんだよな。そのキーマンがIQ180ある天才大臣だっていう。市民がマスク不足にならないようにITを使って公平に買えるシステムを作ったりとかした人だ。誰だっけ編集部? そうそう、台湾のデジタル担当政務委員(大臣)のオードリー・タン(唐鳳)さん。若いんだよな。まだ38歳だってな。

このタンさんが入閣した時に言ったのが、「公僕の中の公僕になる」という発言。すばらしいね。「公僕」、つまり「国民のしもべ」だ。徹底して国民の為に働くと宣言して、この新型コロナウイルスの危機に際しては、言葉どおりに自分の能力を国民の為に注いだわけだ。

赤木さんの「僕の契約相手は国民です」、台湾のタン大臣の「公僕の中の公僕になる」、どっちの言葉も公務員として役人として当然の心がまえなんだよな。公文書を改ざんして証拠を隠して出世する、そういう人たちはいったい誰が契約相手で、誰のしもべなのか・・・ってことだよな。

国会対応で長時間労働 嫌気差し流出進む公務員

写真AC

しかし公務員も近頃はホントに大変らしいな。なになに、それについちゃ最近の日経新聞の記事がある? 「公務員の人材流出が増えている」のか? ふむふむ、「転職サイトに登録している国家公務員の離職者が3年連続で増加」、「外資系やIT企業に転職する20代が目立っている」、「中央省庁では国会対応に伴う長時間労働などで、若手を中心に働く意欲が減退している」・・・。

なるほどな。これは問題だ。公務員の人材流出が増えていけば、国や地方自治体の業務が劣化していくことになるわけだ。それに、政府はずっと国家公務員の数を減らそうとしてんだよな。予算削減、人員削減で。人は減る、仕事は増える、でもってその穴埋めで、非正規の公務員を増やしてるんだってな。地方自治体だと3~4人に1人が非正規なの? 公務員とは言えども短期の雇われ、公務員は安定してるからいいんだって話もすっかり今は昔だな。

そんなふうに余裕がどんどん削られていく中で、急な仕事を任されたら大変だな。例えば今回の新型コロナウイルスだって、横浜にダイヤモンド・プリンセス号が停泊してさあどうするってなって、駆り出されたのは厚労省と神奈川県だろ。対応した役人の中には転職したくなった人もいたかもな。

そうそう、厚労省と言えば1年ぐらい前にデータ改ざんってあったよな? 「勤労統計」のデータをいじって労働者の賃金がいかにも上がっているようにして、アベノミクスの効果が出てますっていうデータにしようとしたら、統計の方法がズルいんじゃねえかって叩かれたんだよな。

厚労省もドタバタしてるね。あとほら、厚労省の女性で不倫してた・・・そうそう、大坪さんって厚労省官房審議官か。和泉さんって首相補佐官と公費で京都旅行してたり、海外で部屋同士がつながったとこ泊まったりして、週刊文春で叩かれてたよね。

そうこうしてたらコロナ対応の最前線だもんな。厚労省の中でも今まさにコロナ対応で懸命に働いている人の声が聞こえてきそうだよ。「厚労省にも契約相手が国民で、公僕の中の公僕という思いで働いている人もいるんですよ!」なんてさ。

あわせて読みたい

「森友学園」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    3密で限界 コールセンターの激務

    松崎りえこ

  2. 2

    米のコロナ被害が甚大だった事情

    WEDGE Infinity

  3. 3

    米の人工呼吸器 購入約束に呆れ

    青山まさゆき

  4. 4

    TBSが失言 パチンコ団体に謝罪

    木曽崇

  5. 5

    東浩紀 ネットで社会完結は幻想

    村上 隆則

  6. 6

    米倉涼子「ドクターX」を降板か

    女性自身

  7. 7

    文春の名前出さぬ日テレに疑問

    水島宏明

  8. 8

    預貯金者は今からインフレ備えよ

    澤上篤人

  9. 9

    なぜ世界の株価は高くなったのか

    ヒロ

  10. 10

    自民重鎮 黒川氏の行動に不快感

    深谷隆司

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。