嘘の投稿を避けるよう呼びかける動き広がる
4月1日のエイプリルフールを迎え、感染が拡大する新型コロナウイルスに関してSNSなどに嘘の投稿をすることを避けるよう呼びかける動きが広がっている。
作家の乙武洋匡氏は「何が正しい情報なのかを見極めることが難しい現状において、人々をより不安にさせるような嘘をつくのは愉快犯だと思う」とTwitterに投稿し、多くのユーザーが賛同した。
みなさんにお願いです。明日はエイプリルフールですが、コロナ関連の嘘だけはやめにしませんか。
— 乙武 洋匡 (@h_ototake) March 31, 2020
何が正しい情報なのかを見極めることが難しい現状において、人々をより不安にさせるような嘘をつくのは愉快犯だと思うんです。
専門家の意見に耳を傾けるべき時期に、雑音を混ぜ込むのはやめましょう。
都知事会見後にコロナ関連のデマが変質
国内でもコロナウイルスの感染が拡大し、特別措置法に基づく緊急事態宣言も取りざたされる中、コロナ関連のデマ情報にも変化が見られるという。
SNSを中心とした情報を解析し、自治体や企業に危機管理情報を提供する株式会社Spectee。3月末には、エイプリルフールに新型コロナウイルス関連のデマ情報が増加し、社会活動に大きな影響を与える可能性が高いことから、デマ拡散状況の監視体制を強化することを発表し、注目を集めた。
同社の村上建治郎氏は、デマの数は増えていないものの、ここ1週間ほどで「デマの質が変わったことを感じている」と話す。以前は健康情報や医療に関する誤情報・デマが多かったというが、小池百合子都知事が会見を開き、人々の間で「都市封鎖」の噂がささやかれるようになった頃から、「東京が近いうちにロックダウンする」といった内容のデマが拡散し始めたとのことだ。
※同社が確認したデマ情報の例
「ロックダウンは、今日発表で、開始が4月1日から3週間。議員秘書から連絡きてます。私の友人の信頼できる外食上場企業の社長からです。」
「先程、確かな方から下記の情報が入りました。民放各社にも連絡が入ったようで、今晩 or 明日の晩に安倍総理の緊急会見があり、4/1からロックダウンという発表があるとのことです。期間は二週間〜三週間で長引く可能性があるのでは...という見立てのようです。」
「100%の確証はないですが...昨日深夜、民放数社のプロデューサーから◯◯さん(著名人の名前)に連絡があったようで、今朝方、ご本人から連絡があった内容なので、緊急会見の開催はかなり高い確率で行われると思います。準備を進めたいと思います...。」
同氏は「この手の情報は災害直後など緊急事態時に出回ることが多く、世の中が大規模災害が発生した時のような雰囲気に変わってきたのかなという気がする。今後、デマ情報が増えることが予想され、また4月1日のエイプリルフールに便乗してデマを流す人が現れると見られるため、監視を強化することをアナウンスさせていただきました」とする。
信ぴょう性を判断できない情報はシェアしない
株式会社Specteeでは、デマ情報への対処として次のような行動を取ることを提唱している。
① 人づての話は勇気をもって「疑う」こと。
② 常に政府機関・自治体などの公式情報を確認する。
③ ネットメディアやブログ等の情報はアクセス数を稼ぐために、不確かなもの、センセーショナルに書かれているものも多く存在します。本当に事実確認されているか、科学的検証がされているかを冷静に見るようにする。
④ 少しでも疑念をもったり、自分で判断できない情報はシェア(リツイート等)しない。
⑤ 情報をシェアすることは、“善意であっても”自らが情報の拡散に加担しているということを認識すること。
村上氏は、特に一番重要なのが「情報を受け取って自分で信ぴょう性を判断できない時は、基本的にはシェアしないこと」だと指摘する。
シェアはデマ情報を拡散するのに加担してしまうので、ひと呼吸置いて、善意であっても自分で確証が持てないものは拡散しない。できることなら公式情報など信頼できるソースを確認することが大切です。