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志村けんさんが新型コロナ感染「ECMO治療」で最初の死者に

Getty Images

ザ・ドリフターズのメンバーで、人気タレントの志村けんさん(享年70)の訃報は芸能界だけではなく日本中に大きな衝撃を与えた。同時に、新型コロナウイルスの感染の怖さを改めて示した。

亡くなったのは3月29日 午後11時10分のことだった。志村さんに近い関係者によると、その日の夕方までは「小康状態だった」のだが「その夜になって急変した。どうにもならない状態だったと聞いています」

志村けんさん、入院した時点で重篤だった

志村さんは、3月17日に倦怠感の症状があったため自宅で静養していたが、2日後の19日になって突然発熱、呼吸困難に陥った。翌20日に訪問診察を行った医師の判断で港区の病院に救急搬送したところ「重度の肺炎を起こしている」(所属事務所)ことから緊急入院。検査を行い、23日になって「新型コロナウイルス」に感染していることが判明した。

関係者によると「すでに、入院した時点で重篤だったようです」。

志村さんは、4年前の2016年に肺炎で入院しており、さらに肝臓にも疾患があった。週刊誌の芸能担当記者が言う。

「今年の1月には胃のポリープの手術も受けていました。体調も思わしくなかったはずですが、酒を断つことが出来なかった。とにかく仕事が終わると、仲間を連れて銀座や六本木などのクラブやガールズバーを飲み歩いていました。

志村さんは気を遣う人だったので人一倍ストレスもたまっていたと思います。志村さんにとっては仲間と飲み歩くのが唯一の楽しみだったのかもしれません。

今回も、発病する前日は元気に飲み歩いていたと聞きます。しかし、まさか新型コロナウイルスに感染するとは思ってもいなかったでしょう。

今さらながら悔やまれるのは、志村さんの周りに健康を気にして注意してあげられる人がいなかったことです。あるいは、志村さんにモノを言える人がいなかったのかもしれませんが…。それが志村さんにとって一番、不幸なことだったかもしれませんね」

ECMOを使っても助からなかった

緊急入院したときの容体について、一部には「安定している」との報道があったものの、その後、新宿区内の病院に転院した情報が流れると、さすがに深刻な状況が伝わってきた。

転院した病院は、新宿区内にある感染病の専門病院だが、そこで志村さんは「ECMO(エクモ)」と呼ばれる「体外式膜型人工肺装置」を使っての治療を行ってきた。

この装置は、現在「新型コロナウイルスによる命に危険のある重症患者を救う手段」(医療関係者)として使用されており、「今、もっとも期待されている装置」なのだとか。

具体的には、血液中に直接酸素を送り込んで肺の機能を一時的に代行しながら、薬品を投入。すでに新型コロナウイルスに感染して重症、重篤だった二十数名の患者が、この装置を使用してきた。

「現在も治療継続中の患者さんもいますが、ほぼ半数の人が回復しています。その回復した人の中には退院した方もいます」(前出の医療関係者)

つまり、これまで「死亡例」はなかった。ところが「今回の新型コロナに感染し、ECMOを使用した患者の中で、志村さんが死亡した最初の例になってしまった」

もちろん、全ての患者に対して万能な装置ではないのだろうが、「まさか志村さんが第1号になるとは残念でなりません」(医療関係者)

過去に肺炎を患い、内臓にも疾患があったことは確かだろう。

しかし、それ以上に「志村さんが亡くなったことで、新型コロナに感染した場合の恐ろしさ、怖さを改めて世間に示したことにもなります。つい最近、愛知県の蒲郡で周囲に感染させた50代男性の急変にも驚きましたが、志村さんについては発病、入院とリアルに情報が出ていたので、国民に対しての衝撃度ということでは大きかったはずです。わずか2週間足らずでの出来事でしたから」(スポーツ紙の芸能記者)

ちなみに、新型コロナの感染拡大で不足が懸念されている「人工呼吸器」について西村康稔経済再生担当大臣は「医療供給体制の確保が最優先課題のひとつ。増産に向けて調整している」としている。現在、「人工呼吸器」は、およそ3600台、さらに「ECMO」についても、およそ400台を確保しているとし「政府として治療薬の開発を最大限支援していく」と意欲を見せているのだが…。

感染拡大でテレビ局はパニックに

写真AC

それにしても、志村さんが新型コロナの感染によって死去したことで、パニックに陥っているのは、NHKの他、フジテレビと日本テレビだろう。

志村さんは、「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ)と「志村でナイト」(フジテレビ)」などの冠番組を持っている他、NHK朝の連続テレビ小説「エール」にも出演が決まっていた。特に、その中でも「志村でナイト」については、発病の直前に収録が行われたと言われている。フジテレビでは「濃厚接触はなかった」と断言しているが、正直言って有り得ない話である。

「ヘアメイクや衣装担当の人、さらには共演者や制作スタッフ…誰一人接触していないなんてあり得ないでしょう。もちろん、これはフジだけに限らずNHKも同じです。スタジオ、それ以上に使用した楽屋など、志村さんの感染が発覚した時点で全て閉鎖して消毒すべきでした。今のところ感染者が出たと言う報告はありませんが、タレントや女優、アーティストの中にも感染者は多数いるはずです。志村さんの死を無駄にしないように、芸能界も新型コロナの感染のチェックを徹底的に行うべきです」(芸能関係者)

各テレビ局はスタジオでの番組収録は避けられない。特に、音楽番組においては、もはや感染の危険と隣り合わせである。志村さんの訃報が伝わった30日も、TBSは生放送で「CDTVライブ!ライブ!初回4時間S P」と題した長時間音楽番組を放送した。

「無観客でのライブ放送と言っても、生放送ですからアーティストやスタッフの出入りは激しく、それこそ感染者が出ないことが不思議な環境です。今後、クラスター発生源になることが危惧されます。コンサートやイベントが自粛、中止、延期になっても、これでは意味がないと思いますね」(一般紙の社会部記者)

30日、小池百合子都知事は緊急記者会見を行ったが、志村さんに関連してなのか「特に若者にはカラオケ・ライブハウス、中高年にはバー・ナイトクラブなど接待を伴う飲食店に行くのは当面お控えいただきたい」と訴えていた。

しかし、テレビ局に対しても注意喚起すべきだろう。

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