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【読書感想】トラックドライバーにも言わせて

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トラックドライバーにも言わせて (新潮新書)
作者:橋本 愛喜(はしもと あいき)
発売日: 2020/03/13
メディア: 新書

Kindle版もあります。



トラックドライバーにも言わせて(新潮新書)
作者:橋本愛喜
発売日: 2020/03/20
メディア: Kindle版

内容紹介
幅寄せ、ノロノロ運転に急ブレーキ、アイドリングに堂々と路駐――どれも「深い理由があるんです」
公道上でとかく悪者にされがちなトラック。そのドライバーも「態度が悪い」と批判されがちだが、内情を知れば、そんな見方も一変するはず。
これまで語られてこなかったドライバーたちの本音を、元トラックドライバーの女性ライターが徹底解説!
読後、街中でトラックを見る目が一変すること必至!

 トラックが日本の物流を支えている、というのは知っているつもりだし、あの大きな車を長時間運転し続けるというのが過酷な労働だというのもわかります。
 車の運転が得意ではない僕は、遊びに出かけるときに借りてきたキャンピングカーを運転したとき、普段乗っている車より「周りが見えない」ことが怖くて仕方ありませんでした。
 僕はトラックを運転したことはないけれど、死角の多さや止まりにくさは、小型のキャンピングカーどころではないはず。

 そう頭では思っていても、追い越し車線をゆっくり走り続けていたり、路肩に停まっていたり、窓からタバコを投げ捨てたりするトラックに出くわすと、やっぱり苛立つのです。

 この新書は、自身もトラックドライバーとして働いていた著者が、一般車から「邪魔者」扱いされがちなトラックドライバーの事情と、運送業界が抱えている問題について語ったものです。
 読んでみると、トラックの「一般車を苛立たせる運転」には、そうせざるをえないさまざまな事情があることがわかります。
 よほどのことがないかぎり、指定時間の範囲内に届けられる宅急便や、再配達が基本的に無料であることなど、日本の顧客は運送業界に高いハードルを課しているのも事実で、その求めるレベルの高さが、ドライバーたちの負担にもつながっています。

 これらすべてのトラックには、共通して言えることがある。「死角」の多さだ。
 乗用車よりも車高があるため、トラックに乗ったことのない人からは、よく「視界が広そう」と思われる。確かに前方の見通しはいい。乗用車では、前のクルマのリア(後ろ)部分しか見えない事例も、トラックからだと2台3台先の乗用車まで見える。が、トラックはその形状ゆえに死角が多く、斜め後ろにいるバイクや、車体の下で遊んでいる子どもに気付きにくくなり、目視不足の事故を起こしやすい。
 こうした死角に毎度神経を尖らすトラックドライバーには、ある共通した思いがある。
「一度でいいから、一般ドライバーにもトラックの運転席に座ってもらい、どれほど見えないのか体感してもらいたい」ということ。
 筆者も心からそう思う。どんなにトラックの危険性を言葉で訴えても、その「車高の高さ」と「死角の怖さ」は、身をもって体感しないとなかなか分かってもらえない。

 特に死角になりやすいのは、トラックの左後方だ。
 乗用車では左後方を確認する際、後部座席に窓が付いているため、比較的外の状況を把握しやすいが、一般的なトラックは、座席から後部が全て壁。そのため、平ボディの場合、助手席の窓からリアウインドウ(後ろの壁に付いている小窓)までが完全な死角になることが頻繁にある。
 さらに箱車(荷台が箱型になっており、後部が開閉する作り(一部側面が開閉するタイプもある)のトラック)においては、いかんせん後ろが「箱」であるため、そのリアウインドウすらない。ゆえにルームミラーはほぼ飾りで、そこから得られる情報は、「自分の顔の疲れ具合」くらいなもの。そのため、取り付けていなくても車検が通るのだ。
 こうした結果、トラックは左後方が死角になりやすくなるのだが、よりによってトラックの左後方は、二輪車の「定位置」。彼らは隙を見つけるや否や、そこから最も危険なポイントである「トラックの真横」をすり抜けていこうとするのだ。
 ドライバーからすれば、彼らのこうしたすり抜けは、自殺行為以外の何ものでもない。

 トラックは左後方が死角になりやすい、というのは、トラックの運転者以外も知っておく必要はあると思います。交通事故の被害者にならないために。
 小型のキャンピングカーを運転したときのことを前述しましたが、運転していて「死角」があるというのは、本当に怖い。
 著者の話を読むと、トラックに乗ったことがない人が想像しているよりもずっと、トラックは死角が多いということがわかります。ルームミラーがなくても車検に通るくらい「見えないもの」だと認識されているんですね。
 もちろん、さまざまな情報をドライバーがリアルタイムに更新しながら、事故を起こさないように運転しているのでしょうけど、これからは、車の周囲を見ることができるカメラの搭載や人や障害物を感知するセンサーなど、テクノロジーの導入が進んでくるのではないかと思われます。
 トラック運送においては、人手不足もあり、いちはやく自動運転車の導入が推進されていくのかもしれませんね。
 しかし、そうなると、今度は「運送業界で働いていた人たちの雇用がなくなる」という問題が生じてくるわけです。
 医療の仕事もそうなのですが、「仕事がきついから、なんとかしてほしい」と思いつつ、「自分の仕事がなくなってしまったら困る」のですよね。

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