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テレビの取材を受けたい企業が知っておくべき4法則

情報番組を10年近くつくっていたことがあるのですが、テレビの製作側が取材する商品やサービス、店を決めるとき、ほとんどの場合にあてはまる3つの「法則」とでもいうべき共通項に気がついた。それは4つの「K」です。

「簡単」であること



テレビが他のメディアと違うのは、良くも悪くも、たくさんの人に見られるメディアだということです。昼間やゴールデンタイムの時間帯の、それなりの人気番組だと視聴率は10%近くはある。全国放送だと人口の10%といえば1000万人。放送時間にたまたま家にいなかった人、あるいは見てもいいかなと思っている人。そんな視聴者になるかもしれない、潜在的な視聴者を考えると、2,3000万人程度いることになります。本やCDの凄いベストセラーが100万であることと比べてみても、圧倒的な多数を相手にしているわけです。

圧倒的な多数を相手にするということは、テレビ番組の性質を大きく縛ります。つまり、誰にでも見てもらえるということは、誰にでもわかるということ。簡単な話じゃないといけないのです。わたしは若いスタッフに「そのVTRで、あなたの田舎のおじいちゃんやおばあちゃんにわかってもらえる?」なんて聞き方をしていました。70歳のご老人にもわかるような内容じゃないといけないのです。

だから、難しい先端技術の説明が伴うような商品。あるいはインターネット関連のサービスは取り上げにくいのです。

「改良」ではなく「新規」



「処理速度2倍」、「画素数3倍」、「洗浄効果が従来商品比4倍」。いずれも素晴らしい開発成果です。ですが、テレビだと取り上げにくい。なぜかと言えば、驚きが少ないのから。どこかで見たことのある商品の改良でテレビに取り上げられたいと思うなら、よほど凄い改善でないとインパクトが弱いのです。最低でも既存商品の10倍は改善しないと、驚きはないものです。

ところが、既存商品の延長線上にあるように見えない新商品だと話は違ってきます。実際には既存商品の延長線上にない新商品なんてものはないのでしょうが、少なくとも素人目には単なる延長線上にあるようには見えないということが大切です。

新規の商品の場合、存在そのものが目新しいので、それなりにインパクトがあります。本当に効果があるのか、使いたくなるのかは関係なく、取り上げられる可能性は高くなるのです。

「形」があるもの



テレビは映像を伝えるメディアです、当たり前ですが。なので、撮影するべき「物体」がないものは、紹介しにくい。新しいアイデアとか、ソフトウェアなど、物体を伴わないものは取り上げにくい。概念、理念、理想…。活字だと当たり前のように伝えられえる「考え」を伝えるのが、実は結構難しいのです。

「細かい」媒体で取り上げられる



「細かい」媒体というのは、専門雑誌や業界紙のこと。メディアに取り上げられるのは、大体順番があります。業界紙・専門誌→全国紙→テレビという順番です。なぜかというと、テレビは自分でネタ探しをすることはまずしないから。

テレビのネタ探しというのは、多くは新聞や雑誌を文字通り目を皿のようにして、ネタになりそうなものを探します。同じような内容を扱った新聞や雑誌を集め、そのなかから組み合わせて、1つの番組やコーナーが何とかなりそうな商品や店を紹介していくパターンが実に多い。なので、テレビに取り上げられたい人は、まず「細かい」媒体に取り上げられることを目指すのが現実的です。わらしべ長者のようなものかもしれません。

テレビに取り上げられるという「ノウハウ」を書こうとすると、自ずとテレビというメディアの特徴、そして問題点をあぶり出すことに気がつきます。なぜなら「簡単なことしか伝えない」(=考えさせられるテーマは避ける。あるいは、無理にでも簡単であるかのように短絡化してしまう)、「改善ではなく新規しか伝えない」(=新規じゃないものも無理やりにでも新しく見せてしまう)、「形があるものしか伝えない」(=難しい理念や概念は伝えない)、「細かい媒体で扱ったものしか伝えない」(=自分で1次情報を取ってこない。情報の2次加工業になっている)。

巷に溢れるPR本はほとんどが嘘やPR会社の宣伝のためのもの。実はPRのノウハウから見えるテレビ論、なんていうのもあるのかも。

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