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アングル:原油処分売りでスポット価格低迷、アジア通貨危機以来


Julia Payne

[ロンドン 26日 ロイター] - 北海ブレント油先物が1バレル=27ドル前後まで下落しているが、大半の石油生産国は現在、原油を20ドル未満で処分売りしているのが実情で、スポット価格は1990年代末のアジア通貨危機後以来の低水準に落ち込んでいる。

石油価格は新型コロナウイルス感染拡大による需要の落ち込みと、サウジアラビアとロシアのシェア争いによる供給増加が相まって急落している。

一部の油種はブレント油より低い価格で売られるのが普通だが、現在の市場環境下でその差はさらに拡大。通常はブレント油より高いその他の油種も、現在はかつてないほどブレント油の価格を下回っている。

こうした値引きにより、多くの産油国で1バレル当たりの石油収入は、2020年予算に織り込まれた想定価格を大きく割り込んでおり、一部の国では国家財政がさらに圧迫されそうだ。

リフィニティブのデータやトレーダーによると、値引きその他のコストを勘案した場合、一部産油国の石油収入は1バレル=10ドル近くまで落ち込んでいる。ベネズエラのメレイ原油にいたっては、先週8ドルで売られた。

トレーダーによると、特に需要が減ったのはガソリンやジェット燃料などに適した軽質低硫黄原油で、そのためアゼルバイジャン、カザフスタン、ナイジェリアといった国々が厳しい状況に陥りそうだ。

ロイターの計算によると、ロシアは今週、指標となるウラル原油を1バレル=18ドルで、サウジは欧州向けのアラビアンライト原油を16ドルで販売した。

トレーダーによると、産油国が急いで原油を処分したがっているのは取引状況から明らかだ。

大手製油企業のあるトレーダーは「平常時には、買い値と売り値のスプレッドが0.1―0.2ドル前後の水準から交渉が始まり、数週間かけて取引が成立する。それが今は、バレル当たりのスプレッドが2ドル前後なのに、即決だ」と話した。

<さらに見通し悪化>

アナリストや主要なトレーダーは先週まで、世界の石油需要が向こう数カ月で日量1000万バレル、率にして10%減少すると予想していた。しかしその1週間後、大手商社ビトルは向こう数週間で20%落ち込むとの見通しを示した。

インドの製油企業は生産を減らし、欧州の製油工場は閉鎖を検討。中国の需要は回復しつつあるが、世界の燃料消費の5分の1を占める米国でロックダウン(都市封鎖)が実施される中、中国は唯一の希望の星でしかない。

軽質低硫黄原油は特に悲惨だ。軽油や燃料油、原油が何年間もタンクに貯蔵できるのに対し、ガソリンとジェット燃料は高品質の管理の問題や季節性、添加物などのため長期貯蔵ができない。欧州のトレーダーは「冬用ガソリンを夏用と一緒に貯蔵することはできない。今はちょうど切り替えの時期に当たる。6カ月以上ガソリンをタンクに入れておくのは無理だ」と話した。

今のところ重質油はましな状況だが、いずれは供給がだぶつくと予想されている。

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