- 2020年03月27日 16:10
小池知事が大曲医師と『NEWS23』に生出演 反転姿勢”で小川彩佳に語ったこと(中編)
1/2小池知事が大曲医師と『NEWS23』に生出演 "反転姿勢”で小川彩佳に語ったこと(前編)
出典:ヤフーニュース(個人)「小池知事が大曲医師と『NEWS23』に生出演 反転姿勢”で小川彩佳に語ったこと(前編)」
この記事の続いて「中編」を以下、続けたい。
小池知事が専門家である大曲医師と一緒にテレビのニュース番組で生出演してまで訴えた内容が続く。
小池知事の場合、これまでこうした番組への生出演となると知事選での候補として、あるいは都議選、衆議院選挙での党首としての役どころばかりで、どうしても「一方的な発言」に終始しがちでスタジオの出演者との「双方向のやりとり」に欠ける傾向があった。
それがこの日の『NEWS23』では小川彩佳キャスターはじめとする出演者たちとの「双方向のやりとり」が出来ていたことは新鮮な感じがした。
番組ではサブキャスターの山本恵里伽アナウンサーが図を示して、クラスターの封じ込めができていない現状について尋ねている。
クラスターのように感染経路がわかる場合には「封じ込め」が可能だが、感染経路が不明の人がどんどん増えている現状ではその先に感染経路がわからない感染者が複数いる可能性があり、それらの人がわからないところで次々に感染させている恐れが出てきている。
把握されていないクラスターが複数以上あって「封じ込め」が不可能になっているのでは?と指摘した。
(山本恵里伽キャスター)
「さきほどの飲食店でのクラスター感染の恐れが示されていたが、こういう情報は(知事には)入ってきているのでしょうか?
(小池知事)
「大曲先生もそのメンバーでご指導いただいているんですが、都の有識者会議でもこれらのことを分析する中で
若い人が感染源となっているケース多いのではないかということで
今回の『感染爆発重大局面』という中に若い人に夜の外出を控えてほしいということを初めて加えた。 まさしく封じ込めで感染を拡大させないという、
そもそも若い人に自分たちが感染源であるという認識さえもないということで、ある意味、大きな警告を発したわけです」
小川キャスターが素朴な疑問を知事にぶつけた。
(小川彩佳キャスター)
「周辺県も含めて各知事が訴える『不要不急の外出を控えるように』というときの『不要不急』という意味は?何をもってそう判断するのか?目安は何か?」
この後の小池知事の回答は若者たちにもわかりやすい言葉だった。
「今日、この時間に必ず出ていかないといけないのかどうか」
さすがテレビで鍛えた人である。
(小池知事)
「別の日に変えることができるのかどうかそこが判断につながるでのは?
まあ、結婚式とか、そのもの卒業式や入学式など、それぞれ学校そのものが工夫をしたりされている。
そういう形で行動そのものを自分で判断して今日この時間に行かなくちゃいけないかどうか、これを判断してほしい」
ここで政治記者としての経験が長いアンカーマンの星浩氏が口を開く。
(星浩アンカーマン)
「卒業式や謝恩会のシーズンですが、そのあたりはボーダーラインだと思うですが、
おそらく近所の買い物とかは大丈夫なんでしょうが、ただ、こういう時期なので親の介護とか病院の見舞いとかはギリギリのところだと思いますが可能であれば東京都の方からこういうこういうスタンダードでやったらどうですか?という目安を示していただけるとみんなわかりやすいかなと思いますが、その辺の工夫はいかがでしょう?」
これは番組側と知事サイドとの打ち合わせでもあったのだろうか。政治記者だったなら聞くべきところはもっと他にあったはずろうと筆者は感じたが、小池知事も厳しさのない質問にそう感じたのか余裕の笑みを浮かべながら回答していた。
(小池知事)
「そうですね。3つの『密』ということで『密集』『密閉』そして『密接』。この場面を避けていただきたい。そう申し上げてきているわけだが、それもひとつの目安だと思う。
これも有識者会議の方でまとめて、国の方でまとめていただいた目安ではありますが、
逆に『それじゃあ、外に行ったらいいんだね?』という話になってきて、
目安を設けることが逆の行動を作ってしまう可能性もあります。 でもいろいろとみなさんにはわかりやすい説明をしていかなければと思っています」
ここでメインキャスターの小川彩佳キャスターが登場する。
(小川)
「そしてやはり気になりますのが、知事も3日前に言及された 『都市封鎖』ロックダウンの可能性。
昨日の会見でもありましたけど、この可能性はどのくらいだと考えればいいのか。
また封鎖されたときに、たとえばパリなどでは交通機関の制限などをしていますが、 どういった封鎖というのを考えているのか。
具体的にお話しいただけますか?」
その前のVTR映像では、都市の封鎖が人影がなくなったパリなどの様子が映し出されていた。
小池知事は日本においては政府にも自治体にもそうした権限がないと説明した。
(小池)
「基本的には日本の場合にはこれを実行するというのは法律的にも大きな課題はあります。
その中でもこれからの感染の拡大を防止するためにどうあるべきなのかというのは、
それぞれエビデンスや医療的な判断など含めてどこまで何をするかを決めていかなければならない。
そのときに国の方から連携、支援をいただくことによって、効果のある対策をしていきたい。
少なくともパリであるとか、ニューヨークなどのような状況というのは 日本においては法律的には難しい状況です。
また、そうならないためにみなさんにご協力をお願いしている」
ここで再びアンカーマンの星浩氏が口を開く。
(星浩アンカーマン)
「先週の三日間(三連休)がゆるんだというのはどうしても反省材料にならないですかね?」
星氏は1週間前の三連休中に外出自粛などを呼びかけた他の自治体のトップに比べて、外出の自粛などを求めなかった東京都の対応にはやや批判的にコメントしていた。それだけに小池知事の反省の弁を引き出したかったのかもしれない。
(小池知事)
「そうですね。 ただ、今出ている(感染者の)数字というのは、まだ2週間ほど前の(接触による)数字です。
これから(三連休中の外出の結果による感染者などが)出てくるところかと思います。
いずれにしてもみなさんの行動によってこの感染拡大を防止することができる。
そのことはぜひみなさま方にご協力いただきたいと思います」
誰かウィルスをもっている人間と接触したとしても、実際には2週間程度の潜伏期間がある。
そのため、1週間前の三連休に関連して、小池知事が「外出自粛」や「イベント自粛」などを強く呼びかけず、結果的にそれが感染者を増やしているのかどうかが判明するのはまだ後1週間かかる。今の時点でそうしたことを知事がすべきだったのかどうかを批判すべきデータはないのだ。
その意味では小池知事の説明の内容は正確だ。
知事の姿勢を問う星氏の質問は軽くいなされてしまった格好だった。
この後小川キャスターがさらに質問を重ねた。
(小川彩佳キャスター)
「ちょっとうがった見方かもしれませんが、 昨日、オリンピックが延期と発表された後のこのタイミングだからこそ強いメッセージを発していけた。 そういったことはありますか?」
(小池知事)
「それはまったく関係ありませんね。はい」
小池知事も想定していたのだろう。
余裕をもって答えてこの質問をスルーした。