記事

トランプ支持率急上昇のなぜ

1/2
コロナウイルスに関するブリーフィングの様子 出典:Donald Trump Twitter

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

【まとめ】

・トランプ大統領支持率49%と急上昇。

・トランプ大統領のコロナウイルス対策を支持する声高い。

・米、国家重大危機には国民が一致団結する傾向あり。

アメリカのトランプ大統領の支持率が急上昇した。しかも同大統領のコロナウイルス感染の防止対策方法への支持が60%という意外なほど高い水準を示し、これまで同大統領の防止策を批判してきた民主党側を当惑させている。アメリカのウイルス感染防止はまだ顕著な効果をあげていないのだが、ここへきてなぜトランプ支持が増えたのだろうか。

3月24日のアメリカのメディアはいっせいに世論調査大手機関のギャロップ社が公表した最新の大統領支持に関する調査結果を報道した。

3月22日までの1週間の全米調査ではトランプ大統領への支持率が49%と、ギャロップ社がこれまで3年余り実施してきた同大統領に関する世論調査では最高レベルの数字を示した。3月前半の同じ調査では44%だったから、わずか2週間で5ポイントの急上昇となった。

同調査結果によると、トランプ大統領への支持率は共和党支持層では92%(前回は91%)、無党派層で43%(前回は35%)、民主党支持層では13%(同7%)となった。これらの数字は中間層と民主党支持層でのトランプ支持が顕著に増えたことを示した。

アメリカのメディアがさらに大きなニュースとして報じたのは同じギャロップ社の調査でトランプ大統領のコロナウイルス対策への支持率が60%という高水準を記録した点だった。

その支持層別の内訳では共和党支持層が94%、無党派層が60%、民主党支持層が27%となり、とくに共和党を支持していないアメリカ国民の間でもトランプ政権のウイルス対策に賛同する人たちが多いという結果が出た。

トランプ大統領の一般の支持が高くなったのも、このウイルス対策への支持率の高さが主要な要因になったとみるのが妥当だろう。

しかしここでわく疑問はアメリカのウイルス感染はまだ広がる一方で、トランプ政権は具体的な対策こそ連日のように打ちだしているが、その成果がまだみえていない点である。成果がないのに、なぜその対策ぶりへの支持が高いのか、である。

この疑問への答えは少なくとも二つ、考えらえる。

第一はトランプ政権のコロナウイルス対策の国民へのアピールが前向きな反応を招いたという要因である。

トランプ大統領が国家非常事態宣言や集団感染地域での隔離政策、民間企業の大幅動員、緊急経済支援策の推進など具体的な措置をとっていることは事実である。だが、その成果は明確には出ていない。

ただしその政策を国民一般に知らせる広報活動が前例のないほど大規模で頻繁となっている。ホワイトハウスからの連日の国民への報告、要請がテレビで実況中継され、一時間以上も続く。

しかもトランプ大統領は自身が記者団からの質問に熱心に答えるだけでなく、大統領直轄のコロナウイルス対策本部の本部長マイク・ペンス副大統領や同本部顧問のアンソニー・ファウチ医師(国立アレルギー感染症研究所所長)、同本部調整官のデボラ・バークス医師らを横に並べて、自由に答弁や発言をさせている。

これらの3人の補佐役がみな複雑な課題に明快かつ懇切に実にみごとな解説を述べている。トランプ政権にしては珍しいこの円滑なチームワークが一般国民の好評を得ているといえそうだ。

あわせて読みたい

「新型コロナウイルス」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    沖縄での自衛隊めぐる発言に疑問

    和田政宗

  2. 2

    小沢一郎氏に翻弄された玉木代表

    早川忠孝

  3. 3

    日本企業が離れていく韓国の苦境

    PRESIDENT Online

  4. 4

    ポリ袋はエコ 製造会社涙の訴え

    PRESIDENT Online

  5. 5

    病と闘い 渡哲也さんの役者人生

    渡邉裕二

  6. 6

    安倍首相のコピペ挨拶騒動を検証

    木走正水(きばしりまさみず)

  7. 7

    コロナで他人を攻撃する日本人

    文春オンライン

  8. 8

    氷河期世代に刺さった半沢の言葉

    PRESIDENT Online

  9. 9

    木下サーカス 収入90%減のピンチ

    BLOGOS編集部

  10. 10

    合流賛成派にも配慮した玉木代表

    早川忠孝

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。