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女性同士の内縁関係でも「不倫に110万円の慰謝料」が認められた理由

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今年3月、不倫の慰謝料をめぐって画期的な判決が出た。女性同士のカップルでも不貞行為に対する慰謝料請求が認められたのだ。弁護士の理崎智英氏は「憲法は婚姻は『両性の合意』と規定しているが、時代状況に応じて条文をより柔軟に解釈することも可能になっていくのではないか」という――。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/imemei

事実婚でも浮気の慰謝料は取れる

世の中には、婚姻届は提出していないものの夫婦同然の生活を送っているカップルも数多くいます。

それでは、そのようなカップルの一方が相手以外の異性と不貞行為をした場合、不貞行為をされた側は、パートナーに対して慰謝料を請求することができるのでしょうか。

この点、法律婚においては皆さんもご存じのとおり、不貞行為をされた配偶者がパートナーに対して慰謝料を請求することが可能です(民法709条)。夫婦間ではお互い貞操義務があり、配偶者以外の異性と性行為をすることが禁止されているためです。

そして、法律婚ではなく、事実婚状態であっても、男女間に法律上婚姻関係に準じるものとして保護される「内縁」関係が成立している場合には、不貞行為の慰謝料を請求することが可能です。

それでは、内縁とはどのような状態を指すのでしょうか。

最高裁は、「内縁」とは、双方に婚姻意思があり、社会的に夫婦として共同生活を送ってはいるが、法律で定められた婚姻届け出を提出していないため、法律婚とは認められない男女の関係を指すとしています(最高裁昭和33年4月11日判決)。

どういった状態なら内縁関係といえるのか

裁判では、そもそも内縁関係が成立しているかどうかが争いになる場合があります。

婚姻届を提出していないという点を除けば、一般の夫婦と同じという状態が内縁関係です。そのため、カップル同士が、長年交際していたり、単に同棲していたりしているだけでは、内縁関係が成立しているとはいえません。

裁判上、内縁関係が成立しているかどうかを判断する際に重視されるのは、次のような事実です。

①結婚式、披露宴を挙げていること
②婚約指輪、結婚指輪を交換していること
③長期間、同居していること
④子がいること
⑤親戚や知人が夫婦であると広く認識していること

上記のような事実があり、その事実を立証するための証拠があれば、法律上保護される内縁関係であると認定される可能性が高いと考えます。

ちなみに、内縁関係を解消する際にも、法律婚と同様の権利や義務が認められることになります。

すなわち、カップル間に財産があれば、財産分与を請求したり、カップル間に未成熟子(まだ経済的に自立できていない子供)がいて、父親が子を認知している場合には、父親に対して養育費を請求したりすることも可能です。また、不貞行為以外でも、婚姻関係を破綻させた責任のある当事者は、相手方に慰謝料を支払う義務を負うことになります。

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