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今日のCOVID-19あれこれ~2020年3月25日版

今日はもうこれしかないだろう、ということで・・・。

「東京都は25日、新たに新型コロナウイルスの感染者41人を確認したと発表した。1日に判明した感染者数としては都道府県単位で最多となる。小池百合子都知事は同日夜に緊急の記者会見を開き、週末は不要不急の外出を自粛するよう都民に要請した。」(日本経済新聞電子版2020年3月25日17時42分配信)

当ブログをしばらくご覧いただいている方ならご存じのとおり、自分はまだ東京都がオリンピックを今年のうちにやる気満々だった頃から、そろそろ本格的に手を打たないと危ないぞ・・・とずっと思っていた。

特に、都内では先々週末の「高輪ゲートウェイ群衆殺到事件」から先の三連休の花見に至るまで、明らかにリスク意識おかしいだろ!!!というような事象も散見されるようになっていたから、行政が一段ギアを踏み込んだこと自体は、決して悪いことではないと思う*1

だが、自分は今日のこの一報に接した時、ただ困惑するしかなかった。

この期に及んでなぜ「自粛」にとどまっているのか・・・というのが一つ目の理由。にもかかわらず、対象が「外出」全般であまりに広すぎる、というのが二つ目。

今やるべきことは、リスク要因になりうる「密集空間」を徹底的に排除することなのだから、必要なところには強制力の行使も含めて徹底的な対策をしなければいけないはずなのに、傍から見ていると、「補償」の話が盛り上がることを恐れてか、未だにそこまで踏み込むことを避けているように見える。

一方で、この先の長期戦を見据えると、「感染リスク」という点では極めて危険性が低い文化施設や個人向けのカフェ、定食屋といったところからも足を遠のかせるような網をかけることが得策だとは到底思えないのに、今日の各所での反応を見ていると、どうも政策目的とは無関係のところにまで影響が及んでしまうように思えてならない。

おそらく、この週末には、善良な老若男女がぴたりと外での消費活動を止めて家にこもる一方で、これまで散々リスクを作り出してきた無頼な連中が引き続き集団化してクラスタを作り出すという皮肉な光景、そして、ここぞとばかりに買い占めに走る愚かな人々が善良な人々と善良な飲食店を苦しめる、という、悪夢のような光景が少なからず出現してしまうことだろう。

そして、週が明け、より深刻な数の「発症者」と、著名人も含む不幸な運命をたどった人々のニュースが日々流れる状況になってきたところで、様々なプレッシャーを制御できなくなった官邸と自治体がやむなく23区を例外なきロックダウンで混乱に陥れる・・・という展開も、念頭に置いておくべき段階に差し掛かってきている、と自分は思っている。

こうやって、事態が悪化する状況に差し掛かってきたときに矛先が向くのは、決まって行政だったり、イベントを企画する主催団体だったりするし、自分も時折そちらの方に悪態をつきたくなる感情に襲われることがあることは否定しない。

でも、冷静に考えれば、それはただの責任転嫁に過ぎないのであって、結局のところ、「感染」を避けようと思うのであれば、マスクや手洗いうがい等といった対処療法を気慰めにする前に、まず「自ら人間密集地帯を避けろ」というのが一番だし、発症→重篤化のコースを歩みたくなければ、自分の体の声に謙虚に耳を傾けるしかない。

もちろん、それをせずして自らリスクを負うのも本人の自由なのだが、今回のような「疫病」に関しては、その結果ダメージを受けるのが自分だけではない、ということも常に頭の中に入れておかないと、後々大きな後悔をすることにもなりかねない。

月が替われば、首都圏で生活する人々は(自分も含め)これまでに経験したことがないような、未知の変化と不自由さを、多かれ少なかれ味わうことになるのだろうけど、シビアな状況になればなるほど、試されるのは「個」のサバイバル能力だ、ということと、もし為政者に何かを求めるのであれば、それは生き残るための能力を発揮したくてもできないカテゴリーの人々を救済させることであって、リスクを回避しようと思えばできるのにそれをしない(しなかった)者*2が何らかの救いを求めるのは本来お門違いなのだよ・・・ということは、全ての関係者が共有すべき前提ではないのかな、と*3

そして、きちんと適切に判断して、行動できる人々をどれだけ増やせるかは、最前線で事に対処している関係者が、「生」のデータと情報をできる限り世の中に共有し、それを多くの媒体がバイアスをかけずにストレートに伝えることができるかどうかにかかっている、ということも、ここで改めて強調しておきたい*4

*1:個人的には、今日判明した感染者だけで40名、日本全国でも100名近く。「対策」を打つタイミングとしては既に遅すぎる、と思っていたりもするが、何もしないよりはましだ。

*2:これは健康面の話に限らず、経済的な話も含めて、のことである。なんか最近見ていると、目立つ声を上げている層の人々にばかり目を向けることのいびつさが、徐々に増してきているように思えてならない。

*3:もちろん、人命は何よりも大切なものだから、無謀な行動の結果罹患した者に治療の機会を与えるな、などというつもりは毛頭ないのだが・・・。

*4:日本の専門家会議の情報発信も決して劣っているわけではないと思うのだが、バイアスをかけずに判断するための一次資料がどうにもこうにも少なすぎるような気はしている。また、海外の報道と比べると、”罹患者の生の声”が非常に少ないのも日本の特徴ではないかと思っていて(臨床系の医療従事者の方々の論文等を通じて多少は知ることもできるのだが、それだけだと世の中一般への啓発、警鐘としては弱いかな、と。もちろん、「プライバシー」に対する国内外の考え方の違いに起因しているところも大きいのかもしれないが)、そこはもうちょっと何とかならないのかな、と思えてならない。

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