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もう一人自殺するかも… 自殺した官僚妻の訴えを昭恵氏スルー

悲劇を招いた張本人は沈黙(写真/アフロ)

昭恵さんは赤木さん妻の訴えを無視するのか(時事通信フォト)

再調査を拒否した安倍首相(3月14日/時事通信フォト)

「今回、自殺した財務省職員の遺書や手記が公開されることを、官邸は1週間ほど前から把握していました。そもそも遺書や手記の存在は自殺直後から知っていて、警察や検察の捜査の過程でほぼ内容を掴んでいましたが、まだほかにも“隠し玉”があるのではないかと戦々恐々としていた。公開された内容の切実さに国民は衝撃を受けていますが、官邸は“これなら乗り切れる”と高を括っている様子です」(自民党関係者)

【別写真】自殺した赤木さんの妻の直訴を放置したという昭恵さん

 3月18日発売の『週刊文春』に衝撃的なタイトルの特集記事が掲載された。

《森友自殺財務省職員 遺書全文公開「すべて佐川局長の指示です」》

 森友学園問題に関する財務省の公文書改ざんをめぐり、2018年3月7日に自殺した財務省近畿財務局職員・赤木俊夫さん(享年54)の秘められていた遺書を全文公開した記事は、大きな反響を呼び、同誌はほぼ完売したという。

 遺書で赤木さんは、財務省の佐川宣寿理財局長(当時)が文書改ざんの指示を出し、ほかの幹部も文書改ざんに関与したと暴露した。

《森友問題 佐川理財局長(パワハラ官僚)の強硬な国会対応がこれほど社会問題を招き、それにNOを誰れもいわない これが財務省官僚王国 最後は下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ、手がふるえる、恐い 命 大切な命 終止府》(原文ママ)

 遺書の公開と同時に赤木さんの妻は国と佐川氏を相手取り、1億1000万円余りの損害賠償を求める訴えを起こした。

 赤木さんの仕事ぶりはごく真面目で、「ぼくの契約相手は国民です」が口癖だった。その実直な公務員の魂の叫びに、安倍政権は冷淡だった。

 遺書公開直後の3月19日、安倍晋三首相(65才)と麻生太郎財務相(79才)が国会で再調査を拒否する姿勢を示した。23日にも安倍首相は「事実は明らかにした。検察がしっかりと捜査した結果がすでに出ている」と再調査を改めて拒否している。

 直後に赤木さんの妻は代理人弁護士を通じ、「夫の遺志がないがしろにされ、許せない。再調査してほしい」とコメントを公表。「安倍首相らは調査される側で、再調査しないと発言する立場ではない」と強く批判した。

 もう1人、この問題に深くかかわった人物がいる。安倍首相夫人の昭恵さん(57才)だ。詳しくは後述するが、そもそも国を揺るがせた森友問題も、それをごまかすための文書改ざんも、引き金を引いたのは昭恵さんだ。

「昭恵さんも赤木さんの遺書の存在は知っていました。官邸と同じく、おおよその内容は把握していたので、初めて知る事実も少なく、特別な反応は示していません。そもそも昭恵さんは、自身が招いた森友問題の最初から、スタンスは何も変わっていません。“私は何か悪いことをしたでしょうか。夫のためを思って、よかれと思ってやっただけのことです。私は被害者なんです”―そういう主張なので、もう何が起きても一緒なのです」(安倍家の関係者)

 実は、今回の遺書公開の数か月前、赤木さんの妻が発した悲痛なメッセージは昭恵さんに届けられていた。ただ、それを聞いても昭恵さんは、「どうしたらいいですかね」と繰り返すばかりで、“打てど響かず”の状態だったという。

◆赤木さんの上司が自殺するかもしれない

「昨年10月、赤木さんの奥さんから相談を受け、その内容を昭恵さんに伝えました」

 そう語るのは、昭恵さんと赤木さんの妻の双方を知る政界関係者だ。

「赤木さんの自殺後も奥さんは夫の職場(財務省)を信じていて、遺書を公開しようとは思っていませんでした。しかしその後、財務省関係者の態度に違和感を持った奥さんは、次第に不信感を募らせていき、遺書の公開と提訴にいたりました。

 その過程で奥さんは、赤木さんの直属の上司だったAさんも相当に追いつめられていて、もしかして自殺するかもしれないという情報を知り、私に連絡してきたんです」

 赤木さんの妻から連絡を受けたその関係者は、旧知の仲の昭恵さんに内容を伝えた。

「昭恵さんに“赤木さんの上司だったかたが自殺するかもしれません”と伝えたのは、赤木さんの奥さんから相談された昨年の10月頃です。

 それを聞いた昭恵さんは、“どうしたらいいでしょう”と言うばかりで何もしようとしませんでした。それからというもの、一切の連絡はありません」(前出・政界関係者)

 その関係者は、責任を感じた昭恵さんが何らかの行動に出ることを望んだが、その望みは叶わなかった。

「籠池泰典理事長に実刑判決が出て、人が1人亡くなっている重大事なのに、昭恵さん本人はほとんど何のメッセージも発せず、姿をくらませたままでした。博愛の精神を持った彼女なら何らかのコメントを出してもいいのに、具体的な行動は何ひとつ起こしていません。

 赤木さんの上司が自殺する瀬戸際まで追いつめられ、もう1人死者が出そうと伝えたときも、昭恵さんは痛くも痒くもない様子でした。安倍首相の立場を考えてのことかもしれませんが、彼女はあまりに自己保身に走りすぎています。赤木さんの件についてこのまま何も言わず放置したら、昭恵さんは人間として失格です」(前出・政界関係者)

 今回の暴露に安倍首相も「乗り切れる」との余裕を崩さない。

「安倍総理は、とにかく森友問題に敏感です。というのも、昭恵夫人がかかわっていることに加え、“妻が勝手にやったことで自分は関係ない。なんで私が責められなくてはいけないのか”という腹立たしい思いを抱えているからです。

 遺書発表後の3連休は、自宅に官邸スタッフを集め、“遺書が公開されても大した影響はない”という世論を作り出すように、“作戦”を練り上げたそうです」(前出・自民党関係者)

 その結果だろう、安倍シンパとみられるネット掲示板やツイッターの書き込みが急増し、「遺書には具体性がない」とか、「記述に矛盾があるから信憑性が低い」とか、「新型コロナで大変な時期に森友問題なんて放っておけ」などという論調が増えた。

「テレビのワイドショーも、赤木さんの遺書の話題を大きく取り上げず、新型コロナや東京五輪延期の話題に終始しました。“見事な忖度”なのか、それとも日頃から安倍首相が会食を続けてきたテレビ局首脳らに直接指示が飛んだのか…」(官邸関係者)

 ある政治ジャーナリストは憤りをあらわにする。

「遺書には“改ざんは佐川さんの指示”と書いてありますが、実際は佐川氏が勝手に指示できるわけはなく、その上の誰かに命じられたはずで、安倍首相や昭恵さんの思いを忖度して改ざんが行われたことは明白です。

 それをたどれば安倍首相や昭恵さんの責任問題になるから、彼らは再調査を行わないの一点張り。しかし、これだけ国民の関心を引く事件なので、赤木さんの遺志を汲んで再調査し、責任の所在を明確にすべきです」

 弁護士の郷原信郎さんは「昭恵さんは公の場で説明すべきだった」と主張する。

「2017年に籠池さんが国会に参考人招致された時、一方の当事者である昭恵さんの証人喚問は行われなかった。しかも、昭恵さんは官僚が作った“言い訳”の文章を個人のフェイスブックに載せ、国会の証人喚問を逃れた。国民を馬鹿にした稚拙な対応のために森友問題は一層深刻化し、最後には、赤木さんが死に迫られるような状況にまで発展したのです」

 本誌・女性セブンは昭恵さんに話を聞こうと何度も携帯電話を鳴らしたが、留守番電話につながるだけで折り返しはなかった。

 これ以上の犠牲者が出る前に、安倍夫妻は説明責任を果たすべきではないか。

※女性セブン2020年4月9日号

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