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変革(方向性は問わないものとする)

 さて国内のコロナウィルス感染拡大は、とりあえず抑えられてはいるものの収束に向かう気配もないと言ったところでしょうか。3月中は諸々の自粛で安定していたものが、4月1日から一気に動き出すなんて可能性もありそうです。今のところ日本は諸外国よりはマシな状況ですけれど、後追いで感染拡大してしまう懸念は捨てきれません。

 なお必然的な経済活動の停滞で飲食や観光業界は大打撃、職を失う人も少なくないと伝えられています。自転車操業の事業者や経済的に余裕がない人には厳しい状況ですが、逆に金銭より時間の面で余裕のなかった人の場合はどうなのでしょう。少しばかり仕事が減って一息付けるようになった、そんな人も理論上は存在するはずですが……

 なお私の勤務先の場合は、4月からの組織再編への対応で例年よりも忙しい日々が続き、休日出勤も増えてきました。通勤時間帯に電車に乗る人は減っているようですが、出社する機会は増えています。ここで首相が我が社に「そんな改革ごっこは無意味だから止めなさい」と要請してくれたら、任期中はずっと安倍晋三を支持したいところです。

 なにはともあれ「変えることは良いことだ」と、そう信じている人は多いです。変えたことで何かが好転したのか、その辺の検証がなされているかは大いに疑わしいのですが、とりあえず「変える」ことで実績が認められる、そんな社風の会社で私は働いています。皆様の勤め先はいかがですか?

 この3連休は大阪―兵庫間の往来に自粛要請が出る中、我が社では例年以上のシャッフル人事で転勤先と転勤元を往復する社員も増大しているところ、とにもかくにも何かを「変える」ということは、それだけ重要視されているようです。東京の人間を大阪に、大阪の人間を福岡に、福岡の人間を東京に動かす、それに意味を見出す人もいるのですね。

参考、サンダースおじさんとドナルドの戦いなら結果は違ったかも

 4年前のアメリカ大統領選は、サンダースの方がトランプ相手に勝てる候補だとも言われていました。しかし民主党内の争いを制したのはヒラリー・クリントンで、よもやのトランプ勝利となったわけです。表向きは正体を隠していたレイシストの動向も大きいですが、一方でサンダースを推していた民主党支持層の中にはヒラリーではなくトランプに投票した人も少なかったと伝えられます。

 そして今年もサンダースではなくバイデンが大統領候補として民主党の指名争いを制する見込みですが、何となくヒラリーの二の舞になる気がしないでもありません。もちろん状況は4年前とは異なるとは言え、「保守」vs「暴走」という構図で見れば、ヒラリーvsトランプもバイデンvsトランプも、対立構造は似たところがありますから。

 サンダースがこれまでのアメリカ政治の主流とは明らかに異なる理念を持った政治家であるのと同じように、トランプもまた同様に「異なる」ものを持った候補です。それぞれの党において「異端児」であるという意味ではサンダースもトランプは共通点を持っています。だからこそ、期待と反発の両方を強く受けてきたわけです。

 ただサンダースとトランプ、いずれも「変える」ことを期待できる政治家ですが、全く「何をどう変えるか」は異なります。だからこそ民主党候補がサンダースであれば「何をどう変えるか」を争う構図になる、トランプよりもサンダースが支持を集める可能性が見込めたのではないでしょうか。しかしヒラリーあるいはバイデンの場合は?

 ヒラリーもバイデンも、あくまで既存のアメリカ政治の延長線上にある保守派の政治家です。だからこそ党内に敵が少ないとも言えますが、変化を求める有権者の期待を集める力に欠けるとも言えます。つまり「変える」こと自体に価値を見出す人にとってヒラリーやバイデンは、トランプ以下の候補に映っているのではないでしょうか。

 方向性はさておきトランプは「変える」指向を持った政治家です。中身はとにかく「変える」ことが大切だと考える人々にとっては、トランプやサンダースは期待できるけれども、ヒラリー同様にバイデンも期待できない、そう評価される可能性が考えられます。バイデンは民主党内の異端者には勝てても、共和党の異端者には勝てない――

 ただ従来のアメリカ政治からトランプ政治が変化であったように、トランプ政治から「戻す」のもある種の変化ですから、ヒラリーよりはバイデンの方が、良い状況で戦えるとも言えます。あるいはコロナウィルスの感染拡大も、与党への支持を揺るがす可能性があるでしょう。もっとも抑え込みの失敗が政権批判に向かえば民主党有利ですが、危機的事態が思わぬ愛国心を掻き立てて与党有利となることもありますので、この辺は読めません。

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