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政治家都合の緊急経済対策案

今日の日経1面に、政府が緊急経済対策として「外食・旅行消費に助成」を検討するとある。規模は1兆円だとか。業者にとっては朗報なのだろうが、新型コロナとの相性からすれば、何だか変である。

アメリカの州やヨーロッパの国では多くの外出禁止令出されている。要はコロナの感染の急拡大を防ぐため、なるべく人と人との接触を避けるべきだとの認識に基づく。

日本では桜が咲き始め、東京では満開だとか。でも、上野公園もそうだし、咲き始めた京都もそうなのだが、桜の花の下での宴会が禁止されている。欧米の外出禁止令よりは軽いものの、やはり人と人との接触をなるべく避けるための対応である。

今回の新型コロナは、密集、密閉、密接が大好きである。空気中でもしばらく感染力を維持するとの報告がある。そんな中、外食や旅行に補助金を出せば何が起きるのかは明らかである。密集、密閉、密接が増え、新型コロナがほくそ笑むに決まっている。

念のために書いておくと、季節もいいことだし、何も考えずに大挙して遠出し、宴会をする連中が増えるに決まっている。遠出しなくても、居酒屋でガイガイ、ガヤガヤ騒ぎ、ツバを撒き散らし、ツバの中の新型コロナを空気中に発散させる連中が増えるに決まっている。

駅の階段や混雑する通路でノロノロと動いている輩がいるので、何をしているのかと抜きざま、そいつの顔をちらっと見るとスマホゲームをしている。他人の迷惑を考えないというか、考えられないというか、そんな連中がのさばる世の中である。居酒屋で騒ぎまくることで何が生じるのかが、思考のはるか外にあるのは間違いない。

外食産業や旅行会社が苦境に陥っているから、それを何とかしたいという政府の発想までは理解できる。僕としても贔屓にしている旅行会社や飲食店が倒産されると困ってしまう。

しかし、それらの業者を助ける手立ては「外食・旅行消費に助成」だけでない。他にいろいろとありうる。資金を使うのであれば(そんな余裕が日本政府にあるのかどうかは別問題として)、それらの会社の売上高の減少に対して、何割か助成することでもいいのではないか。さらに、業者の新型コロナ対策の工夫に応じて助成割合を上乗せしてもいい。

新聞に出ていた「外食・旅行消費に助成」は近江商人の「三方良し」を狙ったものだろう。業者も、消費者も喜ぶし、両方に喜んでもらえれば政治家の人気にもつながる。ある意味、政治家の我田引水に近い。

「でもね」である。それで新型コロナが集中的に広がれば、最終的には日本が大損害を被る。科学的知識とイメージ力のない政治家の浅知恵というか、悪知恵というか、どちらかだろう。

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