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【ウォルマート】、同社史上初となる店数の減少!世界NO1がチェーンストア理論を否定?



■世界最大の小売りチェーンのウォルマートは昨年度、アメリカ国内の店舗数が前年度に比べて13店舗少なくなった。チェーンストアとして成長してきたウォルマートにとって店舗数の減少は創業以来初となる。

ウォルマートが3月20日、米国証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書によると2020年1月期の米国ウォルマート事業となるウォルマートUSの店舗数は4.756店舗だった。前年度は4,769店舗だったことで13店舗の減少となる。

ウォルマートUSの内訳は平均店舗面積が17.8万平方フィート(約5,000坪)となるスーパーセンターが3,571店舗、同10.5万平方フィート(約2,900坪)ディスカウントストアが376店舗、同4.2万平方フィート(約1,200坪)のネイバーフッドマーケットが809店舗となった。

スーパーセンターが前年度から1店舗増え、ディスカウントストアが同10店舗減少、ネイバーフッドマーケットは同4店舗減となる。なおウォルマートUSとは別事業となるサムズクラブは、国内店舗数が前年度と横ばいになる599店舗だった。

ウォルマートUSの売上高は3,410億ドルとなり前年から2.8%の増加だった。同事業部の営業利益率は5.1%、また既存店・売上高前年比は2.9%の増加となっている。

スーパーセンターとディスカウントストア、ネイバーフッドマーケットの総小売面積は7.03億平方フィートとなり、前年の7.05億平方フィートから減少している。

設備投資ではeコマースやサプライチェーン等への投資額が56.4億ドルと前年から8.1%の増加で店舗改装は21.8億ドルで同1.5%増となった。

移転・増床を含む新規出店投資は7,700万ドルと前年の3.13億ドルから75%の減少だった。新規出店への投資額は2年前の9.14億ドルからは10分の1以下となっているのだ。

 ウォルマートUSやサムズクラブ、海外事業部すべての総売上高は5,240億ドル(会員費等含む)となり、前年から1.9%の増加。純利益は前年から123.1%増加し149億ドルとなっている。

 1962年創業のウォルマートはチェーンストア理論の要となる店舗数増大による規模の経済性を追求し、毎年店舗数を増やすことで成長してきた。そのウォルマートが売り場を減らしながらも売上を伸ばしたのだ。

ウォルマートはここ数年、オムニチャネル化を生かしたシームレスなショッピングに移行していることで売り場の増大に頼らない成長をなし得ているのだ。

宅配サービス対象店を前年の800店近くから1,600店以上にし、カーブサイド・ピックアップ対象店も2,100店から3,100店にしている。

これらネットスーパーを含むEコマースを拡大していることで店舗売上の増加に貢献している。直近四半期でのEコマース売上高は前年同期比35%の増加だった。

 ウォルマートは2年前、登記上の社名を「ウォルマート・ストアーズ・インク(Wal-Mart Stores Inc.)」から「ウォルマート・インク(Walmart Inc.)」に変更した。

社名から「ストアーズ(Stores)」を省くことで実店舗の提供にとどまらない、オンラインなどを併用しながらシームレスな買い物やサービスを提供できるとの理由だ。

ウォルマートUSの店舗数の増減(過去25年間)。2020年1月期の米国ウォルマート事業の店舗数は4.756店舗だった。前年度は4,769店舗だったことで13店舗の減少となる。チェーンストアとして成長してきたウォルマートにとって店舗数の減少は1962年の創業以来初となるのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。小売・流通関連の専門メディアなら、ウォルマート国内店舗数の減少は特集記事となるほどの価値があります。ウォルマートは1962年創業ですから58年の歴史があります。60年近くの同社の歴史の中で初めて店舗数が減少したのです。ウォルマートはまさにチェーンストアとして成長・成功してきました。店舗数を増やすことで規模の経済性を追求し売上を増大し成功してきました。それが店舗数を減らすだけでなく、売上高や既存店売上も増大させたのですからニュース価値としてはかなり大きい。

日本でまだ信じられているチェーンストア理論が世界ナンバーワン小売企業(ホームデポもそうですね)によって否定されたのです。チェーンストア理論を学んだ経営者のなかにはいまだに「まずは100店。とにかく100店。次は200店を達成し、その次は500店」という店を増やすことを重視した考えの人が多いようです。その考えはアメリカですでに終焉をむかえ、チェーンストア理論はオワコンとなっているのです。

 理屈はわかっても感情がついていかない経営者も多いのではと思います。自分が信じてきた考えを否定できるかどうかですから。年を取れば取るほど素直になるのは難しくなりますし...

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