- 2020年03月21日 13:52
3月は「自殺対策強化月間」 本邦初の情報機器による学校での精神保健相談

参議院議員赤池まさあき(自民党・比例代表全国区)です。「日々勉強!結果に責任!」「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とし、賢く強かで思いやりある人づくりを通じて、国を繋げ、護り、発展させていきたいと考えております。
●教育再生実行本部会合
3月19日(木)、自民党本部において、教育再生実行本部(馳浩本部長)の会合が開催されました。議題は「日本初のICTを活用したSociety5.0時代のスマート学校精神保健サービス」です。講師は、関崎亮・株式会社Welcome to talk代表取締役・医師・医学博士から話を聞きました。
3月は「自殺対策強化月間」です。自殺対策基本法に基づくもので、3月が12か月の中で、一番自殺が多いからです。自殺大綱で掲げている「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現に向けて、官民一体となって相談事業及び啓発活動が実施されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000600736.pdf
我が国の10代20代の死因の第一位は残念ながら自殺となっています。また、学校の先生方は毎年5~6千人が精神疾患となっています。そのような中で、関崎社長が、学校向けに初めて情報機器を活用した精神保健相談事業を始めたことは大変意義あることだと感じました。多くの学校で導入すべく、支援策を検討したいと思います。
その講演要旨を以下まとめました。文責は私赤池にあります。
●事業の概要 ~経歴と経験から
関崎社長は、精神科医であり、学校法人理事長ということでもあり、自らの学校の校医となり、精神保健相談に力を入れたとのことです。その経験を活かして、昨年4月からネットを活用して学校精神保健相談の事業を始め、現在10校程度が導入しているとのことです。
同事業は、学校単位で契約を結び、子供や教職員、保護者から、予約制で、平日午前9時から午後7時まで、医師が1時間、心理士が30分間、スマホやパソコンから精神保健相談にのってくれるものです。その相談結果は、学校の担当者に報告されます。
●我が国の精神保健の状況と相談役務の必要性
我が国の年齢別の病気の調査結果を見ると、10代から20代の若年層は、神経・精神疾患によって生命や生活の質が失われている比率が圧倒的に多くなっています。
子供たちを取り巻く状況は、次のような状況です。
・何らかの悩みをかかえる子供たちは85%
・不登校の割合は上昇して20万人超へ
・精神疾患に罹患する子供は4人に1人
・子供たちの自殺は上昇して死因の第一位
成人期以降に何らかの精神疾患に罹患している方々の好発時期は若年期が多いと言われています。
・約50%はすでに10代前半までに何らかの精神科的診断に該当
・約75%はすでに10代後半までに何らかの精神科的診断に該当
精神科的診断とは、不安障害、うつ病性障害、統合失調症、摂食障害、反社会的人格障害。
WHO(世界保健機構)やIEPA(国際早期精神病学会)による国際共同宣言では、学校などの相談の窓口になるところに、早期発見の方法や早期支援の方法について教育することが挙げられています。
学校での保健の授業は、精神保健や精神疾患について、教育内容は充実してきました。しかしながら、課題は教育を子供たちにするだけで、それを活かすことができていない現状です。
現在の健康診断や検査項目に精神状態はなく、教師の多忙化の中で、現場に子供たちの精神状態を判断するには限界があり、さらに偏見が加わると大変難しい状況にあります。
そして、医学の環境と言えば、精神科は問診中心であり、その時間は1人最低30分以上と手間がかかり、その担い手である児童精神科医は全国で約1千人ほどと少ない条項にあり、医師の給与は当然高く、偏見、世間体とあいまって、精神保健の相談を気軽に行える状況ではないとのことです。
そこで、その教育と医学の環境の2つの課題を解決しようというのが、「Welcome to Talk」というネットを活用して専門の医師や心理士が相談にのる役務です。
既に米国では、州によりますが、幅広く導入されている役務でもあります。
●情報機器活用の精神保健相談の利点
この役務の利点は次のようなものだと言います。
・精神科医や心理士の移動時間を短縮することで、多くの子供たちや教職員、保護者の相談に乗ることができる。
・高頻度なやり取りによる一貫して相談にのることができる。
・個人情報が守られやすい。
・親の仕事や子供の学校への影響を減らし参加・維持しやすい。
・精神科医、教職員、保護者、子供が協力し連携されやすい。
詳細については、動画「学校向け国内初!新しい時代のメンタルヘルスケア Welcome to talk「オンライン健康相談」」をご覧頂ければと存じます。