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青空卒業式・生徒に贈った言葉 学校経営者として『一日おき授業』を提言

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため政府が行った「一斉休校要請」。私も、私立の中学高校の経営者(郁文館夢学園理事長)であり、対応の最前線にいる。

今回の一斉休校の要請、文部科学省は「あくまで、要請」という姿勢だが実質は「強制」だ。ならば、1週間早い段階で「予告要請」があれば、学校現場も保護者もここまで混乱はしなかったと思う。3月は学校の締めくくりだ。学年末試験、卒業式と「延期」の選択肢がなく対応がより複雑化した。小さな子供の面倒を見る保護者も大混乱した。1週間あれば、いろいろ手が打てた。そもそも、私も国会議員の時は「物事が決まるのにこんなにも遅いのか」とその仕組みに批判的だった。

しかし、それだけ独裁を牽制(けんせい)し、議会制民主主義を尊重し、あらゆる角度から意見を聞き、最良の道を選択していた。今回は専門家会議も一斉休校を提言しておらず、重要閣僚も決定を知ったのは突然だったと報道されている。国のトップは緊急時こそ、意見を聞き、決断し、しっかりと説明し、責任を自治体や学校に押し付ける「要請」ではなく、責任はすべて私が持つという「姿勢」を出すべきだ。

郁文館では高校3年生を前に「青空卒業式」を行った。校庭で、しかも1回の人数も減らし、合計6回に渡って式をおこなった。さらに、卒業生とその保護者に手紙を書いた。できるだけのことはしたい。

卒業式に続いて、入学式の問題が出てくる。郁文館はパソコンを1人1台支給している。ネットを通じホームルームや授業の体制を整え、学力低下や生活の乱れに気を使っている。入学式が行えず、新学期がスタートできない場合の想定や指示は、国からいまだ示されない。私は、コロナウイスルの件は「長引く」と決めて、それに応じた、対応策を決めるべきだと思う。長引くと決めて、短くなった場合は、被害が少ないだけだ。1学期は通常授業は不可能と想定して、国や学校現場が、あらゆる策を考えるべきだ。

私は大胆だが「1日おき、半数授業」を提言したい。生徒は2日に1日登校する。しかも半数ずつ。そこで、授業→自宅課題→授業を繰り返せば、学力の低下や生活の乱れは相当防げる。満員電車など、登下校時間はもちろん配慮する。2日に1回でも、とにかく通常生活をとめないことが重要だと思う。春の甲子園まで中止となる一方、飽きてきた子供たちが、原宿や渋谷を出歩いているニュースを見ると、つじつまが合わない。国の大きな要請ほど「つじつま」は大事だ。

最後に「青空卒業式」となってしまった、今年の高校3年生にこんな言葉を贈った。「『人生万事塞翁が馬』です。これから80年近く生きるのです。その間には、良いことも、悪いことも、うれしいことも、悲しいことも起きるでしょう。その時の姿勢が大切です。時間を大切に使うことで、どんな奇跡も起こすことができます。無為に過ごすか、大切に過ごすか、あなた次第です」

今の休校にも、長い人生にも共通する大事な考えが届くとうれしい。

【夕刊フジ】「渡邉美樹経営者目線」(毎週火曜日連載)より

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