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志らくの“不倫妻擁護コメント”に違和感を持つ人が多いのはなぜか?《年の差婚の現代家族学》- 「週刊文春」編集部

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 週刊文春3月12日号で、落語家の立川志らく(56)の18歳年下の妻・酒井莉加(38)による複数の弟子との不倫行為が報じられた。雑誌発売当日、志らくは司会を務める「グッとラック!」(TBS系)で「かけがえのない妻を世間の目から守る、命がけで守る」とコメント。この妻を庇う発言を巡っては、SNSにさまざま反応が寄せられていた。目立ったのは志らくの気持ちを計りかねるという戸惑いのコメントだ。

立川志らく ©時事通信社

《若い奥さんの自慢もほどほどにしないと、クビが締まるかも…》

《歳の差婚の場合、年下の妻が若い彼氏を作るのはよく聞きます。不思議とバレていない女性が多い。夫がそもそも疑わないからでしょうか?》

《「これくらいのことでは夫婦の絆は壊れない」と真顔で異常なことをいうから驚いた》

《夫は若い妻を手放したくないし、若い妻は年上夫じゃみたされないという、公認の不倫ってこと?》

 妻の不倫を擁護する発言をした芸能人夫はほかにもいる。「週刊文春」(2017年12月21日号)で妻である女優の藤吉久美子(58)が一般男性との不倫を報じられたことに対し、夫の太川陽介(61)は会見で「かみさんだもん。みんながそう思わなくても、ぼくは信じます」「誰が聞いたってクロだと思いますけどね(笑)」と笑顔で語った。「笑顔が怖い」という意見はあったが、「神対応だ」など概ね好印象だった。

 なぜ世間は志らくのコメントに戸惑いを抱いたのか。家族社会学が専門の兵庫教育大学大学院学校教育研究科の永田夏来氏に聞いた。

 ◆ ◆ ◆

志らくは典型例ではない

 立川志らくさんの妻を擁護するコメントには多くの方が違和感を抱いたようです。「不倫を肯定するなんて」という批判も目立ちましたが、このコメントをどう受け止めていいかわからないといった声も聞こえてきました。

 それにはこの件の“特異性”が関係しているように思います。

 まずは志らくさんが落語家であるということ。一般の人からすると、落語家の子弟制度は特殊に思えます。内弟子が師匠の妻に代わって家事・育児をすることもありますし、会社勤めをしている夫の部下と妻との関係とは大きく異なるでしょう。そこには一般の人が想像できない関係が生まれることがあるかもしれない、と想像する余地があります。

 さらに落語家のなかでも「立川談志の弟子である」ということも関係しているかもしれません。立川談志という落語家は、落語の本質を「人間の業の肯定」だとしました。赤穂浪士の四十七士などヒーローが出てくる講談や映画と、落語は違うと説いたのです。

落語に出てくるのはヒーローではなく、かっこ悪く逃げた残りの人です。善も悪もない。でもそんな人にも人生があり、それなりに生きていく。そういう人間の業を肯定してしまうところが落語のすごさだ、というのが立川談志の「落語とは人間の業の肯定」という考え方です。
 

 こんな師匠の教えからすれば、「妻が弟子と不倫」というまさに人間の業が現れた場面で、それを否定などできないでしょう。こうした “特異”な事情を知っている人は、批判しづらかったのかもしれません。

 そして、志らくさん夫婦の“特異性”はそれだけではありません。実は“年の差夫婦”であることも、昨今の社会では珍しい例なのです。

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