厚生労働省は、18時以降など学童クラブの利用者が少ない時間帯に放課後児童支援員(以下、支援員)の一人配置を可能にする意向を示している。今後、1人配置になるのか? 一方で複数配置は必要だが、遅くまでの勤務による課題もある。

■国の動向
これまでにも書いてきているが、令和2年4月から支援員の資格要件と支援の単位(40名が基準)ごとに2名の支援員の配置する基準が「従うべき基準」(義務)から「参酌すべき基準」(参考基準)となり義務ではなくなった。そのため、児童が何人いるとしても支援員を一人だけの配置でも可能となる。一方で厚生労働省は、2名配置をしないと補助金を減額するとしており、歯止めをかけている。
だが、延長時間(18時以降、土曜日)など児童が少ない時間については、1名配置でも補助金はこれまでと同額にすることも示し、夕方は1名配置にしても補助金が同額となり、一人配置が可能となってくる。
■延長は、一日平均7.5人の利用
学童クラブへの補助金は18時までが基本で18以降も開所すると補助金が増額になるため、利用児童数が少なくても開所しているのが現状だ。そこで18時以降の延長時間の利用者数はどのくらいあるのか。武蔵野市の利用者数について令和2年度予算の審査にあたって資料を会派で請求した。

この数を12クラブで割り返すと7.5人が平均した利用者数となる。
■支援員は19時まで勤務。保育園へお迎えが行けない…
武蔵野市では、正規雇用の支援員を2名、18時以降の延長時間中に配置している。このことは、とても評価できることだ。だが、支援員の働き方として良いのか、との疑問が出てくる。
それは、子育て中の支援員に話を聞くと、19時までの勤務では、自分の子どもを預けている保育園にお迎えができず、仕事を続けられるか考えてしまうという。他にも勤務が19時までだから正規になれないとの話も聞く。支援を辞めたケースもある。基本の勤務時間が19時過ぎで良いのかとも思う。
■働き方改革
何よりも、子育て支援を担う職員が、自らの子どもを育てられない、あるいは難しくなく。そんなことで良いのか、働き方で良いのか? とならないだろうか。例えば、2名配置は守るのは当然としても、正規2人ではなく、1人は臨時職員、もしくは短時間勤務職員で対応することを考えるべきではないだろうか?
委員会では同様の質問があり、運営をしている武蔵野市子ども協会とも検討してみたい旨の答弁があった。
非正規雇用の支援員が多い。武蔵野市でも長年、嘱託職員であり非正規雇用だった。その状況で武蔵野市は、市の外郭団体である子ども協会へ事業を委託し、子ども協会で支援員を正規雇用することを進めてきている。このことは高く評価したいのだが、正規になると上記の課題が出てきてしまっているのが現状だ。
解決はそう難しくない。早期の解決を望みたい。
※画像は予算審査特別委員会資料より
【参考】
参酌化への対抗措置? 学童保育支援員への令和2年度予算案(2020年02月03日)