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「評判悪いから、止めようかなぁ」孫正義氏、新型コロナ検査で前言撤回 “目利き力”が鈍っている? - 森岡 英樹

〈新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい〉

 3月11日、ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は、自身のツイッターでこう発信した。


 このツイートに学者などから「医療崩壊につながる」と批判が殺到すると、「評判悪いから、止めようかなぁ」とあっさり撤回。そして、12日夜、介護施設と開業医へのマスクを100万枚寄付すると表明した。


 孫氏の言動に、市場から厳しい視線が注がれている。

「孫さんの行動を止める人がまわりにいないんでしょう。日本電産の永守重信会長やユニクロの柳井正会長など御意見番だった社外取締役が去り、社内にも助言できる人がいなくなった」(大手証券幹部)

孫正義会長兼社長 ©共同通信社

 実は孫氏、3月2日にニューヨークで開かれた投資家向けの非公開の会合に参加していた。

「社外取締役や株主の声に耳をもっと傾けるようにすると語りつつ、過去の実績を示して『これほど結果を出してきた人はいるのか』とアピールした」(経済部記者)

 その直後に飛び出した「検査」宣言。

「2011年の東日本大震災では被災地に100億円を寄付したり、再生可能エネルギー事業に取り組み、支持を集めました。しかし、今回は企業価値の向上にはつながらなかった」(同前)

孫氏の“目利き力”が鈍っている?

 市場関係者の間では、ここのところの孫氏の言動に懸念の声が高まっている。特に17年に「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」を設立してから“目利き力”が鈍っているというのだ。

「当初SVFは10兆円を5年かけて投資する予定でしたが、2年強で使い果たした。拙速で無理をした結果、投資先の吟味が甘かったので、シェアオフィスのウィーワークなどで大失敗し、6000円台だったSBG株は4000円台まで下落した」(前出・大手証券幹部)

 そこに、新型コロナの影響が……。

「SVFの投資先はIPO(新規株式公開)を目指しているところが多かったが、世界的な株価急落で、上場は見通せなくなった。市場では、原油安でSVFからサウジアラビアの政府系ファンドが資金を引き上げるのではないかと見る向きもある。また第2弾のファンドは思うように資金を確保できていません」(同前)

 残る頼みの綱は発行済み株式の約29%を保有するアリババ株。しかし、アリババの株価も1月13日の230ドルをピークに下落に転じ、3月13日には194ドルまで低下した。孫氏の投資事業は逆回転し始めている。

(森岡 英樹/週刊文春 2020年3月26日号)

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