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いったいどうなる「5G革命」安全で快適な自動運転が登場

自動運転の遠隔管制室。ハンドルやアクセルなどが設置

 2020年3月から、いよいよ一部で商用サービスが始まる「5G」(第5世代移動通信システム)。「高速・大容量」「超低遅延」「多数端末接続」が特徴で、現行の「4G」と比べて、速度は10倍、遅延は10分の1、接続可能な機器は30~40倍になる。

「当面は、個人の生活が劇的に変化することはありません。動画コンテンツの高速ダウンロードが可能になり、見放題になるくらいで、細部は今後10年かけて進化していきます。

 5Gの電波は直径200mほどしか飛ばないものもあるので、全国を網羅するためには膨大な数の基地局が必要で、環境が整うまでに2~3年はかかると思います。

 すでにサービスを始めているアメリカや韓国では、利用料は月額8000円ほどなので、日本でも同額程度になるでしょう」(スマホジャーナリスト・石川温さん、以下同)

 では、5Gネットワークが完成すれば、何がどう変わるのか? 5Gを活用したサービスで、もっとも期待されているのが、「自動運転」の分野だ。トヨタなどの自動車メーカーだけではなく、グーグル、アップル、ウーバーなども開発を進めている。

 車両のほか、街灯や信号機などに取りつけられた多様なセンサーが、情報を集約し、瞬時に状況を分析して運転を制御することで、人がハンドルやアクセル、ブレーキなどを操作しなくても、安全にクルマを走らせることが可能になる。実現させるためには、5Gの技術が欠かせない。

「完全な自動運転の実現は、10年ほど先の話になると思います。まずは、自動車単体で、安全に走れないとだめです。『人が来たら止まる』『対向車が来たら避ける』といったことを、5G通信なしでも、できることが求められています」

 そのうえで、「5Gは、サポート的な役割を担う技術として、大きな意味を持つ」という。

「クルマとクルマが通信をして、周囲の状況や情報を共有し、安全を確保します。たとえば、『交差点の死角など、ドライバーには見えない場所に人がいる』といった情報がリアルタイムで入れば、突発的な事故も回避できます。

 そのためには、環境整備が必須。クルマに5Gを搭載すれば自動運転ができる、というわけではありません」

 2019年2月、KDDIが愛知県一宮市で、日本で初めて5Gを使った公道での自動運転車の実証実験をおこない、時速30kmでの走行に成功した。同年6月、ソフトバンクは、高速道路での「隊列走行(先頭を有人車両が走り、自動運転車が後続する)」をおこない、時速70kmをクリアした。

政府は『官民ITS構想・ロードマップ2019』で、2020年に高速道路でのレベル3(条件付自動運転)の実現を目指している。ほかにも、遠隔監視・遠隔操作による自動運転も、開発が進んでいる。

「地方では高齢化が進み、クルマを運転できず買い物に行けない『買い物難民』が増えています。そんなお年寄りを運ぶため、『ある程度、決まったルートで自動運転車を走らせる』といったことは、遠隔操縦で3年以内に実現可能だと思います。

 オペレーターが複数のタクシーを遠隔操作して、地方の大きな道路を走らせるようなことも、同じくらいの期間で、できるでしょう。クルマの遠隔操縦については、技術的に、すでに準備段階に入っています」

 5G通信に対応した自動運転車が普及すれば、食品や日用品を載せた「自動販売車」が走り、高齢者が買い物のために遠出をする必要もなくなる。 

 さらに、自動運転を実現するためには、たとえば「事故が起きた場合、ドライバーと開発メーカーのどちらに責任が生じるのか」などの法整備も必要だ。

いしかわつつむ
スマホジャーナリスト。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。近著『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)が発売中

写真・『広報一宮』より引用

(週刊FLASH 2020年3月17日号)

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