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欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表はガッカリする内容 「俺を信じろ! 必要な措置は全て講じる」という先週のドラギ発言は一体、何だったのか?

先週、欧州中央銀行(ECB)総裁が投資カンファレンスで「ユーロを維持するために必要な措置は全て講じる。だから俺を信じろ!」と発言しました。

投資家はそれを好感し欧州株式を買い進みました。

さらに今日のECBの政策金利発表とそれに伴うドラギ総裁の記者会見でECBがスペイン国債、イタリア国債を買うと宣言するのではないか? と考えた投資家も多かったです。

しかし今日のニュースはそんな投資家の期待を裏切りました。

ECBが政策金利を0.75%に据え置いたのは予想通りですが、国債購入に関しては具体的な政策は明示されませんでした。

その代わり、「数週間のうちにユーロ救済ファンドと協調して国債を市場から買い入れる方策を詰めている最中だ」という発言にとどまりました。

今回の国債購入プログラムは主に短期債を中心とした買い入れを目指しており、支援の要請を受けた場合にのみ実行するとされています。
7月31日の時点での欧州主要国の5年債の金利は、フランスが0.738%、ドイツが0.311%と極めて低い水準にあるのに対して、イタリアは5.459%、スペインは6.195%と危険なほど高くなっています。
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つまり中核国と南欧諸国の間の国債金利が「股裂き」状態になっているのです。

欧州全域の国債平均利回りは3.2%前後です。

欧州通貨統合(EMU)発足後最初の10年間の、政策金利と国債平均利回りには一定の関係があり、その相関関係からはじき出される「理論値」では、妥当国債平均利回りは2.2%であるといわれています。

しかしイタリアやスペインの国債の金利が上昇したことで、国債平均利回りは1%も高くなってしまっているのです。
折角、政策金利を低く設定しても、それが欧州全体の長期金利の低下につながらないという問題が起きているわけです。

このことを難しい用語ではトランスファー・メカニズム(金利伝達機構)の機能不全といいます。

トランスファー・メカニズムが上手く働かなくなっている場面では、単に政策金利を引き下げるだけでは効果は薄く、ピンポイントで問題個所を是正することが必要になります。

そのピンポイントとは、すなわち高止まりしてしまっているスペインやイタリアの長期金利に他ならないわけです。

それらの国債を購入することで債券価格を押し上げ、利回りを下げることで金融政策の「空回り」を是正することを目指しているわけです。

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