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最近、東日本大震災後のネットの教訓を思い出す。

  東日本大震災から9年目の今年、久しぶりに東日本大震災のことを強く思い出している。
 
思い出している理由は、新型コロナウイルス感染症が流行し、ネットの内外を騒がせているからだろう。ブログを書き続けている私にとって、東日本大震災はオフラインでの大災害であると同時に、さまざまなアカウントの言動が動揺しまくったオンライン空間の狂騒でもあった。
 
今、オンライン空間で起こっていることはあの時に似ている。
東日本大震災の時もそうだったけれど、社会に不安が蔓延している状況下でこそ、私たちの心の底にあるもの、私たちの地力が問われることになる。よくネット上では「承認欲求に駆られた暴走」が問題視されるけれども、個人的には、「不安に駆られた暴走」のほうが性質が悪いと思っている。不安と承認欲求が掛け合わさった暴走はいっそうヤバい。どんな言動をしてしまうか、わかったものじゃない。
 
不安は、私たちの言動をぐらつかせ、間違ったことや感情的なことをツイートさせ、勇気やモチベーションの宛先をおかしくしてしまう。不安が強ければ強いほどそうだ。そしてインターネット、とりわけSNSのような、情報よりエモーションを強く拡散させるネットメディアは、不安を増幅する。大災害の報道、悲痛な声、真偽のわからない"情報"、品薄になったスーパーマーケットの風景などが重なり合ってもなお、不安に蝕まれない人は強い人だと思う。
 
けれども私たちネットユーザーはもう知っているはずだ。
私たちの大半はそうではなく、不安に蝕まれやすく、動揺しやすいということを。
 
2011年のあの日から数か月の間に、たくさんの人がSNS上で"勇み足"をやったと思う。ある人は炎上し、ある人はアカウントを畳み、ある人は声望を失った。争わなくて良い相手と争い続け、疲弊していった人もいた。あの不安にみちたタイムラインのなかで、普段なら避けられたはずの失態や奇態によってネットライフに悪影響を受けた人は少なくなかったはずだ。
 
そして2020年。
今度は、新型コロナウイルス感染症にまつわる不安が世界じゅうを渦巻いている。9年前のオンライン空間の狂騒を覚えている人なら、今という時が、言動がぐらつきやすく、間違ったことをツイートさせやすく、無駄に争ってしまいやすく、失態や奇態を演じてしまいやすい状況であるとメタ認知していることだろう。とはいえ、誰もが自分の足元をメタ認知できるわけでもなく、不安とチークダンスを踊り続ける人もいる。
 
「そういうときは身を隠すんだ」
 
不安な時にじっとしていること・身を隠し続けること・言うべきではないことを言わずに済ませることは、簡単ではないのかもしれない。だが、いみじくもインターネットリテラシーがあると自認する諸賢なら、こういう時期にどう身を隠すのか、どうオンライン空間で身を処するべきなのか、もうわかっているだろうし、実際、そういう風に振る舞っているアカウントも目に入る。
 
人はあやまちを繰り返しがちな生き物だけど、あやまちから教訓を得て、行動や振る舞いを変えていける生き物でもある。「ああ、東日本大震災の時の二の舞は避けようとしているんだな」とおぼしきリアクションの古株アカウントを眺めると、そのことがよくわかるし、自分もそれに倣いたい、という気持ちになる。
 
これからしばらく、オフラインでもオンラインでも不安の渦巻きやすい状況が続きそうだ。そうだとしても、私たちはインターネットに繋がり続けるこの日常を生きていかなければならない。東日本大震災後のネットの教訓を思い出して、あの時に失敗した人もそうでない人も、どうか安全運転なインターネットを。  

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