新型コロナウイルスに対して新しい検査が発表されました。もう中国では使われているものです。
これもPCRと同じでいろいろ医学的な問題はあるんですが何点かいい点があります。
>ウイルスの遺伝子を検出する「PCR法」に比べて検査時間を大幅に短縮時間は確かに短くなります。ただ神奈川県が開発しているLAMP法ベースのPCR類似の検査もかなり短いことが言われています。
>「イムノクロマト法」というインフルエンザ検査キットなどに使う手法を使う
>新型コロナに感染した人の血液中の抗体を95%の精度で検出できるという。中国では医療現場で既に採用されている。中国での実績がありますので、そこまで悪くはないはずですが、一般的にイムノクロマト法はPCRよりは感度が低いことが言われています。
また抗原を直接認識するインフルエンザ検査に比べて、コロナウイルスに対する人間の免疫反応を検出するため、感染しても判定できない期間がどうしてもあることが想定されます。(抗原のインフルエンザでも1日目は陽性とならない)そう厳密には数字をしっかり比較しなければいけないのです。
あと日本では保健収載されることで一般的に医療検査として成り立つのですが、今回のこの検査キットは時間的に自由診療となる可能性が高いと思われます。(臨床試験やっていては早くても1年)そうすると混合診療など保健上様々な問題が出てくるでしょう。PCRと同じように特例になるかもしれませんが。
ただ採血でわかりますので、検体採取の時の医療者の感染リスク、汚染リスクは大分減ります。
ところがコロナウイルスの診療をどこでやるかについての問題があります。検体採取のための防護服などがない場合、民間クリニックではコロナウイルスPCR検査の時と同じ検体採取を行うインフルエンザの検査を行うなと日本医師会が提言してきました。
もともと症状では区別が難しいコロナウイルスとインフルエンザ。もう鑑別のレベルはさらに低下します。ただいっぱい検査しろというのは本当に何も考えていない、医療者の感染リスクを増やすだけなのです。
コロナウイルス関連で利益を得ようとする動きは世界でも存在します。あのPCR法もアメリカではビルゲイツもやっていると孫さんがツイートしてました。さすがにみんなから言われてマスク配布に移行したようですが。
利益を得るために検査をという流れの人たちには少し気をつけなければいけません。でも個人的にはこの検査を現場でやって欲しいです。