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「共同親権」を流行語大賞に

■共同親権一色

今日3月12日の午後、「共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会」が起こした訴訟にまつわるさまざまなアクションがあった。

それらは、東京家裁への申し入れに始まり、東京地裁前での街宣、さらに東京地裁803号法廷における第1回口頭弁論、締めは衆議院第2議員会館第1会議室での「院内集会『待ったなし 共同親権』」まで、共同親権一色の動きが東京中心部で繰り広げられているはずだ(院内集会0312『待ったなし! 共同親権2020』)。

共同親権に関する当欄の立場ははっきりしていて、それは親子関係という「土台」のレベルを考えると、共同親権以外は考えられないということである(たとえばこの記事参照「子の連れ去り」という道徳〜共同親権を阻むもの)。

共同親権を阻む考え方として、DV支援を根拠にする単独親権の考え方があるが、上引用でも述べているように、親権という「土台」のレベルと、DV支援という土台の上にあるそれぞれの問題とは明らかにレベルが違う。

現在は、DV防止の条件として単独親権が用いられる。ここにこの分野の弁護士やNPOが集まり、「単独親権にしなければDVは防げない」という短絡的な論理が打ち立てられている。

けれども、共同親権運動のど真ん中にいるRK弁護士(Twitter上のアカウント。僕は本人とお会いしているがここではTwitterアカウントを尊重する)はこのようにつぶやく。


■DVはジェンダーギャップの否定的側面

この問題は錯綜していてさまざまな専門用語を用いざるをえない。ここで言われる「連れ去り」とは、一方の親がもう一方の親の了解なしに子を連れ去ること(毎年20万組の離婚夫婦のなかでは頻繁に起きている事象)、「適切なDV対策」とは一部離婚夫婦のなかで見られるDV案件を処理すること(ということは多くの離婚夫婦にはDV対策は必要ない)等を指す。

DVはジェンダーギャップの代表的事象でもある。男権主義を無意識のうちにひけらかす多くの男達が、衝動的に繰り出す暴力、それがドメスティック・バイオレンスだ。

そう捉えてみると興味深いデータがある。G20諸国のうち、単独親権を採用する国家は、日本・サウジアラビア・トルコ・インドなのだが、それらの国の「ジェンダーギャップ指数2020」はおもしろいほど低位置に属する。日本は121位だ(世界(G20)の離婚後親権制度とジェンダーギャップ指数)。

ジェンダーギャップの100位以下の国々のひとつに日本は入り、サウジ・トルコ・インドも同じような位置にある。それらはいずれも単独親権システムを採用しており、男性/女性の社会的差異が甚だしい。

言い換えると、甚だしく女性が不利な国家がジェンダーギャップ低位置の国家ということであり、そこにG20内単独親権国家4国(日本・サウジ・トルコ・インド)が見事に含まれる。

■共同親権の中心は紛れもなく子ども

ということは、それらジェンダーギャップな国々にDVは当たり前のように付随しているということだ。ジェンダーギャップ4カ国は「単独親権」をベースとしており、だからこそDVが日常的にあると言ってもおかしくはない。

そう考えると、DV防止を行なうNPOや弁護士は、ジェンダーギャップ4ヶ国に見られる「単独親権」が諸悪の根源だとみなすほうが論理的に整合性がある。

ジェンダーギャップ=単独親権=DV連関があるとすると、その輪をどこかで切り離せばいい。

けれども日本社会で起こっている現象は逆で、共同親権にすると一部DV親がつきまとうことが予想されることから、共同親権を否定する。そして、ジェンダーギャップの結果かたちづくられる単独親権に固執する。

やはり、DVという重石がすべてのブレーキになっている。このブレーキと、親権問題をとりあえず引き離すことが求められている。そのために、「親権」という概念をクローズアップさせる必要もある。我が国ではなぜか「子ども」に関する権利類は低位置におしやられ、そこに付随する「親権」も適当に扱われてきた。

社会のなかの弱い者は誰か。弱さの象徴とは誰なのだろうか。そんなことよりも、大人同士のせめぎあいのほうに関心を示すのが我々の社会の特徴だ。最も弱い人々である「子ども」を、タテマエではなく真の「利益の中心者」として位置づけることが求められている。

そのためには。

そうだなあ、昨年あたりから徐々にメディアでも取り上げられるようになった「共同親権」を流行語大賞に押しあげてもいいのではないか。それくらいインパクトがある言葉として社会に流通させたい。

共同親権の中心は紛れもなく子どもであり、大人=親ふたり(父と母)ではないから。

※Yahoo!ニュースからの転載

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