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侵略的外来種から新型コロナウイルスの今後を考える

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 またセアカゴケグモとヒアリも脅威だ。輸入品に混じって上陸を許してしまったらしい。

 セアカゴケグモが初めて確認されたのが1995年、ヒアリは2017年だが、すでに両者とも全国的に分布を広げている模様だ。どちらも毒を持つため、不用意に触ると危険である。また農作物をかじったり、家畜を襲う。海外ではヒアリが増えたため、耕作を断念したり離農者が増える例が報告されている。

 ヒアリの駆除に成功したのは、初期対応を徹底的にやったニュージーランドぐらいと言われる。水際作戦に失敗したら、もはや蔓延は抑えられない。

 こうした例でわかるのは、外来種は侵入して繁殖し始めたら、そう簡単に駆除はできないことだ。しかし初期は、その外来種の危険性がよく知られていないため軽視されがちで、水際作戦もたいてい失敗してしまう。

 外来種問題のやっかいな点は、明確な解決法がないことだ。一度入ってきて増殖してしまった外来種はゼロにできず、延々と被害を出し続けるだろう。結局は、人が手間とコストをかけて駆除し続けるか、生態系の中に組み込まれて増殖が抑え込まれることに期待するしかない。

 外来種問題と照らし合わせていると、新型コロナウイルスの危険性も理解できるようになってきた。これは人類にとっての外来種問題、外来病なのだろう。

 おそらく野生動物から人に感染するよう突然変異がおきて世界中に拡散したと思われるが、侵略的外来種と同じく「天敵がいない」状態で爆発的な感染力を見せつけている。人体は免疫を手に入れていないし、治療法もまだ発見されていないのだ。

 ちなみに新型コロナウイルス対策で励行されている手洗いや消毒のおかげで、日本ではインフルエンザの発生が少ないそうだ。これは在来インフルの生息域を奪ったことに相当する?

 いずれにしろ、もはや新型コロナウイルスを絶滅させることはできないだろう。治療法の開発を急ぐとともに、人類も免疫力をつけるしかあるまい。発生しても、オオゴトにならない程度に抑える……という共生状態にもちこめるよう期待するしかない。

 新型コロナウイルスから外来種問題の深刻さを気づいてもらうか、あるいは外来種問題から新型肺炎の今後を想定するか……混迷はまだまだ続きそうである。

※Yahoo!ニュースからの転載

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