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ブロガーよ!批判をするよりも、批判を受ける人間になれ! 【BLOGOS×日本財団】ブロガーミーティング レポート

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メディアにとっては、悪いニュースほど良いニュース

大谷:マイノリティの方が仕事で頑張るという話があったと思うのですが、外国と日本の若者を比べた時に、モチベーションなどに違いはありますか?

笹川:あのねえ、若者批判をする人がやたら多いけど、そういう人は第一線から引いてほしいね。そういうことを言う人は、大体ジジイですよ。ちなみに、私は73歳の青年でございますから。常に時代を切り拓いているのは若い人。最近、草食系がなんとかってそういうのが多少目立っていますが、そりゃ東京大学に行ったって不良がいるのと一緒。

メディアにとっては、悪いニュースほど良いニュースなんです。真面目で一生懸命やっている人を、新聞が書いたって面白くない。クスリを売ったとか高級車をひっくり返したとかがニュースになるから、そういうことになっちゃう。自殺率だけは事実だからしょうがないとしても、若者批判はいかんですよ。スフィンクスの建てられた5000年前から、近頃の若者はだらしないということを言われてきた。僕らの時代でも、言われていた。つまり、僕らの時代がだらしなかったから、今1000兆円もの赤字を作っているんです。それなのに若者がだらしないとかなんだのって、偉そうなことを言うんじゃないよって。僕らの時代は後ろに下がって、若い人を前面に出さないといけません。

大谷:「日本人は、こういうところがいけない」という話が多かったのですが、グローバルの世界で、「これは日本人の武器だ」というのは何かありますか?

やまもと:僕が行っている北の地域では、日本人は現地の社会から信頼されていて、何かあると「日本人に頼もう」というような話はありますね。そうすると、現地にいるアジア系の外国人が、日本人を自称する例があって困るんだけど……。

会場:(笑)

やまもと:「日本人が約束を守る」というのはいろいろなところで言われていて、それはその昔から、日本人として現地で働いていた人たちが培った信頼なんだろうと思うんです。これは大事にして次の世代に引き継がないといけないと思っています。現地の人たちとのトラブルにならないようにしなければと思いますね。

大谷:田端さんはどうですか?

田端:一般的な話ですが、日本人のいわゆる空気や文脈を読むとか、そういうのは元々ハイコンテクストな日本の世界で培ったものです。飲食店の「おまかせメニュー」が成り立つのも、そうかもしれない。いわゆる「おもてなしの心と」か、ホスピタリティと言われるものは、日本がすごく進んでいますね。その対極にあるのは、良いか悪いかは別にしてマクドナルドのようなスケールメリットで突破する手法。消費者ニーズの最大公約数でないものは切り落とすという発想にある。特に「食」の分野では、十把一絡げでとにかく安くて高品質なものが大量にあればいいだけとはならなくて、顔色を見ておまかせコースで握ってもらう心地よさは、ユニバーサルに通用する良さだと思います。

一方で、世界中で展開されている和食の有名店の「NOBU TOKYO」なんかを、エスタブリッシュメント、和食の保守本流の人たちが「邪道」などと言っちゃうのは、どうなのかなあとも思います。海外に出てみれば多い、首をかしげるような「インチキ和食」…… 実際には、日本人が作っていないものも多いかもしれませんが、プロの日本人の板前なりが現地に行ってやればいいのに、やらないからそうなっているわけでしょう?

やまもと:ああ、やらないですねえ……。海外に行くと向こうの人に家に呼ばれるんですが、そうすると言われるのが「寿司握ってくれ」。

会場:(笑)

やまもと:それが、ほんと辛くて。「寿司とは神聖で、日本人のある特定の資格を持っている人以外握っちゃいけないものなんだ」と説明すると、「そんなに神聖なものなのか」ってありがたがられるんですよね。「寿司握ってくれ」と、「天ぷらをあげてくれ」は、本当によく言われます。

田端:寿司はどこでも食べられるようになったんですが、海外では、かなりの大都市でも、どこの寿司も残念というか、がっかりレベルですよね。

大谷:まだまだ日本について知られていないことがあり、誤解を受けていることがたくさんあるのだと、世界に出てお感じになるわけですね。

やまもと:アルバニアという小さい国があって、いろいろな国の石膏技術をもっていて、昔は建設ギルドで有名なところだったんです。それがある時廃れて、ヨーロッパの建築技術がダメになったと一時期言われたときに、そこを埋めていったのが日本の建設会社でした。もう、圧倒的な工業品質ですよ。ドバイの地下鉄などは日本の建設会社がバンバン受注していて、日本の建築とか堅牢な物づくりに対する評価はものすごい高いです。一方で日本人が他の国に出ていって評価されるものは、建設かプラントの2つに凝縮されていて、「それ以外は日本人って、あまり使えないよね」みたいな評価があります。

田端:スケジュール管理とかはどうですか?

やまもと:う~ん、褒められるのは作り上げられるモノに対する品質、目利きの良さというか工数管理のうまさ。あとは働かない人を働かせるすごさというか。

笹川:今あなたがお話ししてくれた建設のお話だけど、面白い話がありますよ。2~3年前に日本がインドの地下鉄を受注して、そこの鉄道大臣が見学に行くことになった。教える日本人はきちんと時間を守るけれど、インド人は9時と言われたら、9時30分とか10時にだらだら来る国民性なので、「教わる君たちがそんな態度じゃいけない、ちゃんと9時に来い。来ない奴は首切るぞ」と注意した。そうして当日、インド人が9時に行ってみると、既に日本人は先に待っている。「一体何時に日本人は集まるんだ?」って。

会場:(笑)

笹川:「昔の日本の海軍には5分前集合というのがあって、9時集合ならその5分前に集まるのが、自然に身についているんですよ」というと、それを聞いたインドの鉄道大臣はびっくりして、「日本からのお金はいらないから、そのノウハウを教えてくれ」と言われた。こんな風に、日本のソフトパワー、そして、契約をきちっと守ってその日までに仕上げるという信頼度は世界一ですよ。

やまもと:それを下の世代になんとか伝えようとするのですが、すぐ辞めてしまう奴もいて、それが辛いんですよね。それさえなければ、もっとガンガン教えられるのに。

会場:(笑)

前の世代が作ってきた日本の評価を我々は引き継げるのか

やまもと:いろんな国で日本の仕事の仕方は評価されている。それを作ってきたのは今の50代、60代、70代の方なんですよ。我々の世代はどちらかというと、それよりやや劣る結果を出していて、その結果、外国の会社に参入を許してしまうなど、いろいろとコンペティティブなところの負けが表面化しているなあと肌で感じるんです。

大谷:言語の壁みたいなのがあるにせよ、日本人はTwitterでつぶやきの回数がトップクラスとニュースになるくらいアウトプットが好きな人たちであるにも関わらず、オリンピック招致にしても政治にしても発信力というか、アピール下手を感じます。どうしたらうまくアピール出来るのでしょうか?

笹川:ご指摘の通りだと思います。ただ、3年か4年に1度、BBC(英国の放送会社)が行う世界100ケ国規模の好感度調査では、トップはいつも日本なんです。前回は同点でカナダと日本が好感度1位。世界中の人が「日本は素晴らしい」「日本に行ってみたい」と思っている。ところが我々日本人は、どうも「日本は良くない」と思っている。この落差をどう埋めるかは問題ですね。私は120ヶ国まわっていますが、「どこの国が一番良かったですか?」と聞かれたら、必ず日本と答えます。

やまもと:これからの日本には、その良い国のイメージを引き継いで、次の世代まで伝えていかなければいけないという課題があります。そのときに、他の国の人たちがなぜ日本が好きなのかという理由を考えると、約束を守るとか、頼まれごとをちゃんとやってくれるとか、気がきくなどがあげられる中に、「金払いが良い」ということも含まれている。つまり、今の日本の良さは、借金の上で成り立っているという一面がある。じゃあ、これかもらもこの借金を積み重ねていくのですか?という議論をしっかりやる必要がありますよね。お金で評判をあげていくなら、今後もっと無理をしないといけないですよ。だからといって、僕らがお金を払わずに、これだけの尊敬を維持する方法って相当なスキルが必要だと思うんです。

カナダやドイツなどの好感度の高い国と比べた時に、日本がどういうインパクトを与えてきたのかなと考えると、ほんとに地道な活動をしてる人たちのイメージに大きく支えられていて、その評価にほとんどの日本人は乗っかっているだけなのかなって思うことがあります。JICAや国連、日本財団も含めて地道にがんばっている人の評価は、ものすごく高い。この評価をどうやって維持するのかという問題は、一番頭が痛いですよ。

田端:カナダ、日本、ドイツという並びは、「俺が!俺が!」という英米的なのとはちょっと違う「奥ゆかしさ」があるラインナップなのかもしれないですね。

やまもと:でも、ドイツ人うるさいですけどね。お国柄ってありますよね。日本に対しても向こうの人が感じている何かがきっとあるはずです。どこの国に行っても、日本の建設やモノがあって、「我々の街にも橋を!」みたいなことを、毎回言われます。

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