記事

良い状況ではない

 さて新型コロナウィルスの感染は世界中で続出しているようですが、各国の封じ込め作戦の結果はどうなるでしょうか。この規模で拡がると撲滅は難しい、インフルエンザのように「一定数は罹患する物」と社会が免疫を付けて受け入れてしまう方が早いような気がしないでもありません。実際、症状が軽く医療機関から相手にされなかっただけで「実は感染していた」人も多数いるでしょうし。

 事態を政府批判に繋げたがる人もいますが、どうも何処の国もあまり上手く対処はできていないように見えるところです。とりわけ自国内に発症者が少なからず潜んでいる状況で国外から入ってくる人を規制してどうなるのかと疑問に感じないでもありません。そしてもう一つ、国内で反発が強いのは首相発の休校要請でしょうか。これも日本独自の取り組みではなさそうですが。

 雑誌の世論調査結果などを見るに休校措置に賛成する人の方が僅かに上回るように見える一方、反対の声の方が大きく取り上げられがちな印象も拭えません。報道でも休校を残念がる子供の声などがしきりに取り上げられていますけれど、自分が小中学生あるいは高校生の頃だったら、小躍りして喜んじゃいますね。しかし「子供好き」の頭の中の理想の子供は皆、学校通いが大好きなのでしょう。

 それはさておき安倍総理の「要請」と言えば、第二次安倍内閣発足以来継続して行われている財界への賃上げ要請です。労組連合の強い反発こそあったものの、毎年欠かさず続けられているものですが――ほぼ一貫して黙殺されているものでもあります。総理大臣直々の要請など軽いもの、言いたいことは言わせておけば良い、それが経団連の基本姿勢でした。首相の要請なんて、その程度の軽い代物です。

 ところが今回、安倍総理の要請を真に受けてしまう人々が続出しているのですから驚きです。学校教育界と経済界、どうしてこれほどまでに受け止め方が違うのでしょうか。長年、財界から要請を無視され続けてきた安倍晋三にしてみれば、自らの要請はあくまで言葉だけのものであって何ら強制力などないと、そう思っていたに違いありません。しかるに学校界隈は、首相発言に右往左往しているわけです。

 自分の要請をこれほどまでに真摯に受け止める世界があるとは、安倍総理にしても意外だったのではないでしょうかね。何事も相手次第、人によって受け止め方が異なることを想定して言葉を慎重に選ばなければならないのは政治家に限りませんが、ずっと要請を無視する人々と付き合ってきたのに、今度は要請を真に受ける人々を相手にするのですから、その辺は微粒子レベルで首相に同情します。

 なお我が社の御用組合は「時間外拒否闘争」などと宣うも職場に溢れる残業好きからは嘆きの声が絶えない春闘期間ですけれど、今年の賃上げはどうなるでしょうか。学校界隈とは裏腹に経済界は今年も首相要請を無視するばかりか、コロナウィルス蔓延による企業活動の停滞を理由に賃金抑制、組合も「苦渋の決断」を装い速やかな妥結へと進みそうな勢いです。消費税増税に続く景気低迷の要因となることは避けられない見通しですが……

あわせて読みたい

「新型コロナウイルス」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    「首席なの」小池氏との会話回顧

    舛添要一

  2. 2

    王様状態? 麻生氏民度発言の背景

    NEWSポストセブン

  3. 3

    GoTo中止 国民の声気にする政府

    早川忠孝

  4. 4

    感染の危険減っている 医師指摘

    中村ゆきつぐ

  5. 5

    五輪簡素化にみる生活様式の変化

    ヒロ

  6. 6

    「国から直接給付金」望ましいか

    Chikirin

  7. 7

    久米宏の悪ノリ発言引き出す話芸

    常見陽平

  8. 8

    小池知事 カギは卒業証書の現物

    郷原信郎

  9. 9

    コンビニレジ袋有料化で混雑懸念

    佐々木康彦 / ITmedia オルタナティブ・ブログ

  10. 10

    拉致問題の解決逃した外交に後悔

    鈴木宗男

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。