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真冬の北海道で東京五輪のマラソンコースを歩いてみたら想像以上に大変だった

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なんでも調べる放送作家のおおたけです。

今回は、雪が積もる真冬の北海道で開催されることになった東京五輪のマラソンコースを歩いて調べてきました。


実は2018年夏、まだ東京で五輪マラソンが開催される予定だった時にコースを歩いて記事にしたのです。

【関連記事】猛暑の東京五輪が心配なので、マラソンコースを実際に歩いてみた

アスファルトの照り返しの中、東京の暑さをイヤというほど味わったのですが、そんな酷暑のせいでまさかのマラソン開催地移転。私の42.195キロは幻と消えたのですが、コースが変わったとあれば新コースも歩いてみるしかありませんよね。

そんなこの記事を執筆している2月下旬。日本は新型コロナウイルスの影響でイベントの中止・延期ムードに包まれ、世界中から多くの選手、観光客が日本に訪れる東京五輪も開催そのものを危ぶむ声が挙がっています。

中止という声の中には、東京以外で開催する意見も出ていました。今年5月に行われるロンドン市長選の候補者は「ロンドンが五輪を代わりに開催できる」と発言しています。

ロンドン開催は現実的ではなさそうですが、万が一開催地の移転が起きた場合、次はロンドンのマラソンコースを歩くことになるかと考えると戦々恐々です。東京、札幌をただただ歩いた僕の苦労はどうなるのでしょうか…。

2020年の東京五輪がどうなるのか現時点では分かりませんが、札幌がどのようなコースになっているのかを読者の皆さんに知ってほしいという思いから原稿を書いています。

トラブルに飛び込んでこその放送作家

そもそも北海道、それも真冬の札幌を歩くという無茶苦茶な企画を考えたのは誰なのか。はじまりは1通のLINEでした。

編集長「札幌いける?歩ける?」
おおたけ「マラソンものやらなきゃですね」
編集長「行ってきてもらおうと思ったんだけど、いま雪で死ぬ。せめてチャリで回りたいよね」
おおたけ「春まで待つと遅くなっちゃいそうですよね。僕は雪でも平気ですけどどうですかね」
編集長「マジで」

LINEを見返して驚きました。自分から積極的に手を挙げているじゃないですか。さらにこんなLINEが続きます。

おおたけ「トラブル多いほうが書くこと多そうですよね」
編集長「一泊二日で」

無茶苦茶な企画を立てたのは2019年の自分でした。コイツ(数週間前の自分)は、何を考えているんだと頭を抱え、これからは責任持った発言をしようと心に誓って、1月25日から一泊二日で札幌に行ってきました。

すすきののソープランド前を走り抜ける選手たち




今回歩いたのは周回部分を除いた約25kmのコース。42.195kmを歩くわけではありませんが、雪が積もる道を25km進むとなると、単純計算で1日13kmほど。「サクッと終わらせて夜は美味しいものでも食べて遊ぼうかな」と思っていましたが、全然サクッと終わりそうにありません。


暖冬とはいえ、札幌は雪が積もっています。一部除雪されている箇所もありますが、歩道にも雪がしっかり。ここを13キロも歩くのか…。


初日、スタート地点の札幌大通公園に到着し、スタート地点の確認。が…、大通公園は翌週1月31日から始まるさっぽろ雪まつりの準備で巨大な雪像を建設中。出鼻をくじかれました。


気温はマイナス6℃、札幌の薬局で防寒用のカイロとマスクを買ったとはいえ、長時間耐えられる装備ではありません。


「このあたりだろう」とスタート地点を決め込み、一足早く東京五輪のマラソンが始まりました。編集長の指示で右手にはモバイルカメラosmo pocketを握りコースの撮影も同時に行います。

頭はフード、口元はマスク。右手にはモバイルカメラを持ち、背中にはデジタル一眼レフを背負うという札幌の街に不釣り合いな姿。まずは札幌大通公園の周りをグルッと歩いて、中島公園へ向かうコース。序盤はすすきのの繁華街を進みます。


ギュッギュッと雪を踏み固める音を聞きながら、歩みを進めると有名なニッカウヰスキーの看板が一本隣の通りに見えました。

「あそこの前は通らないのか…」と写真だけ撮り、さらに進んでいくと風俗の無料案内所やソープ街に突入。道幅も狭くなっていきます。

「待て待て、世界に中継される五輪だぞ。風俗街がコースにあるのは違和感がある」

薄々気が付き始めました。

「東京のコースはランナーが名所を走るように設計されていたよな…。ってことは、さっきのニッカウヰスキーの看板のある方が本当のコースだ!」

確信に変わりました。急いでコースを修正し、ニッカウヰスキーの看板がある通りに移動。間違いなくここが正規のコースと疑いようのないほど十分な幅の道路があります。ただ気になったのはこちら。


コースの横には日本が世界に誇る文化ソープランド。確かに札幌へ行く前、某ラジオ局のディレクターから「すすきののソープは行かなきゃ損しますよ」と勧められました。マラソン中継をしっかり見たことがなかったので気が付きませんでしたが、他のコースでも大人の店が映り込んでいたのかもしれません。

繁華街を抜けた後に待っている静かな町並み


賑やかなすすきのの街を抜けると見えてきたのは中島公園。五輪期間中は一面緑の広がる公園が、冬のこの時期は一面の銀世界でした。


さて中島公園を右手に見ながらコースはどんどん郊外へ。マンションなどの住宅も増えていきます。大通公園〜すすきのが賑やかなコースだったため、一抹の寂しさを感じてしまいました。同時に東京はどこを切り取っても観光地なんだと再認識です。

東京五輪には全く関係ありませんが、市街地を離れるほど歩道は除雪されていません。ここから雪道との本格的な戦いが始まりました。

氷点下の世界で手袋を外しGoogle Mapをにらみながら、現在地とコースにズレが出ていないかチェックしながら歩きます。幌平橋まではスムーズに進めましたがここからです。


そろそろ折り返して、札幌方面へ戻るだろうと勝手に思い込んでいたのが大誤算。むしろ札幌とは反対方向に走るようコースは設計されていました。

日中は陽射しが差し込んでいたため、暖かく感じていたのですが、日が傾き始めると一気に寒さが牙を剥きました。マイナス5℃の気温の中、中島通、白石・藻岩通、平岸通と3つの通りを歩きます。


この道を直進すれば、北海道の名物番組『水曜どうでしょう』のオープニング撮影場所としておなじみのあの公園(平岸高台公園)と、旧HTB(北海道テレビ)本社があります。

藩士(水曜どうでしょうの熱烈ファン)である私としては久しぶりに見に行きたい気持ちに駆られながらも、すっかり日が暮れ始めた札幌の町をひたすら歩いていきます。


ただただまっすぐを進むと南七条大橋へ。ようやく前半の折り返し地点であるさっぽろテレビ塔が見えてきましたが、右手に持つosmo pocketのデータの容量も限界。まさか4時間近く回し続けることになるとは。


夕方5時過ぎ、ようやくコースの半周となる約12kmを歩き終えました。雪道とはいえ、高低差もないコースにこれだけ時間がかかるとは思いもしませんでした。


編集長からは「途中で『ラーメン食べた』って書いたら経費で落ちるよ」と大人の悪知恵を教わり、それを楽しみに歩きましたがすすきの以降、ラーメン店はおろかコンビニすらなかなか見つけることができませんでした。

危うく遭難するところでしたが、一泊二日の取材のため唯一の夜です。何をしようかワクワクしながら部屋に戻ったものの、そこから数時間記憶がなく気がつくと22時過ぎ。ホテルのベッドで目が覚めました。慣れない雪道を歩いたことによる疲労で死んだように寝ていたようです。泣きました。

ラーメン、海鮮、ジンギスカン…。ダメだ、ここで諦めたらおしまいだ。そう自分に言い聞かせるように札幌駅ビルの最上階にあるフードエリアへ。実は札幌に到着してすぐフードエリアの回転寿司店に足を運んだのですが、到着した時はランチタイム。それが今はもう22時を過ぎています。

さすがに空いているだろうと店の前に着くと、まさかの大行列。しかも全員外国人。春節効果で中国人が増えているとはいえ、欧米人も多く並んでいます。北海道の人気の高さを身を以て知らされました。(ちなみにその後、列に並びお寿司をいただきました)食事の後、そのままホテルに帰り一日目は終了。泥のように眠りました。

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