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30代男性が1週間メイク生活をして気づいた新たな視点

男性が女性にメイク指南をすることへの違和感

今回は男性である私(34)がメイクをして仕事をした1週間で感じたことを皆様に伝えたく、筆をとりました。

私は「よすが結婚相談所」という結婚相談所の所長を務めています。その仕事柄、女性のお客様から「男性に受けを良くするにはメイクのどこを変えれば良いでしょうか?」などとコメントを求められることがあります。

Getty Images

もちろんこちらは婚活のプロですから、ノウハウそのものはあります。しかしながら私にはメイクについて話している時の違和感がずっとあり、それは自分自身にメイクの経験が無いということでした。

「別に経験が無くても良いではないか」とお考えになる方もいるかと思います、私も基本的にはそういう考えです。しかしながら人はやはり感情の生き物、私自身もそのくびきから逃れることはできず、心のどこかで「自分が経験していないと説得力が無いのではないか、アドバイスを聞いてもらえないのではないか」という小さなひっかかりがありました。

化粧水にBBクリーム…メイク生活が始まった

そんな小さな棘を抱えていたある時、本で「一定期間暮らしに何らかの制約を加えてみて視点の変化を感じるという大学の講義がある」という話を読みました。

初め、友人から「女性の結婚装束を着たら」と提案を受け検討しましたが、冷静に考えると職務質問案件ですし、満員電車に乗るのも大変そうなので見送り。

さてどうしたものかと考えあぐねていたところ、前述した自身のメイクにまつわる棘を思い出しました。自分には小さなひっかかりがあったではないか、ちょうど良い機会ではないかと。こうして私の1週間メイク生活が始まりました。

メイクをするにあたり、私が最低限必要だろうと考えて買ったものが以下です。メイク用品の選定にあたっては、検索ワード「メンズメイク」でヒットしたウェブサイトやYouTubeを参考にしました。

立川智也

化粧水
メイクをする前に顔につけるものです。女性のみなさまには「そこからかよ!」とご指摘を受けそうですが、男性の化粧水保持率ってそんなに高くない気がします。

BBクリーム
今回のメイクの主役です。ファンデーションなどメイクに必要な要素が一通り入っている魔法のクリームで、これを顔全体に塗るだけでメイクしてる感が出ます。分からない男性に向けて説明するなら、リンスインシャンプーみたいな便利アイテムだと思ってもらえば大体合っていると思います。

コンシーラー
シミやニキビ跡を隠すためのもので、スティックのりのような形状をしています。顔の特定部分にピンポイントで使用するので、自分の肌の色や使うBBクリームに合った色をチョイスする必要があります。

リップバーム
唇の色を良くするために塗るクリームです。食後に女子が指でぬりぬりしてるアレです。口紅をつけるのは見た目のインパクトが強くなりすぎるので、控えめな発色のリップバームを選択しました。

道具も揃え、いよいよメイク生活のスタートです。YouTubeで見たので予習は完璧でしたが、やはり慣れないことをしているので一通り終えるまでに20分近くかかってしまいました。私は慣れない作業をしていると顔に汗をかく体質なため、メイク中に滴る汗に大苦戦しました。今思えば朝に家を出る時点で既に化粧崩れしていたような気がします。

立川智也

会社についていざ仕事に取り掛かっても、これまでの人生において顔にクリームが付着している状態で何かを遂行し続ける経験は無かったため、気が散って集中できませんでした。食事中もメイクが気になるので、大口を開けたり、口元を豪快に拭くことができません。

今まで私はおしゃれなカフェの小鳥のエサみたいな食事を好む女子の気持ちが理解できなかったのですが、なるほどこの状態であれば確かに小鳥のエサをチョイスしたくもなります。

逆に絶対に食べたくないものの代表は担々麺です。大きく口を開けなければ食べられず、大汗をかきますし汁も跳ねます。私は担々麺が好きでよく食べるのですが、これまでの人生で私の担々麺に付き合ってくれた全ての女性に謝罪と感謝の意を表したいと思います。これからは女性を担々麺に誘う際にはその苦労をしてでも食べる価値のある美味しいお店だけを提案していきたい所存です。

メイクに仕事相手は気づいた?

メイク生活2〜4日目は、まだ慣れない時期ではありますが、初日のようなバタつきは無く過ぎていった期間です。メイクの何かが関係していると思うのですが夕方になると涙が止まらなくなり、辛かったことを覚えています。

意外だったのは、お仕事で会うお客様には全く気づかれなかったことです。お客様と一対一で小一時間話すこともありましたが、まさか目の前の顔テッカテカの人がメイクをしているとは思わないのでしょう。

顔テッカテカと言えば、夕方になるとメイクって浮いてくるんです。この「浮いてくる」感じは実際にメイクをしてみないと分かりにくいのですが、肌とメイクの間に油の層が出現するようなイメージです。これが大変に気持ち悪く、かといってちょっと化粧直ししたくらいでは解消するものではありません。

メイク生活中は毎日、夕方になると「もうお家に帰りたい。。」と思っていました。ですから女性が平日の仕事終わりにデートをするということは、そういう諸々のハードルを乗り越えてきているということを、男性の皆様には知っていただければ幸いです。

メイク生活終盤にある「問題」が発生

メイク生活終盤の5〜7日目。狙ったことではありませんが、汗っかきの私にとって寒い2月だったのはせめてもの救い、のはずでした。しかし今年は特別な問題がありました。新型コロナウイルスの感染拡大です。

その件については話の本筋ではありませんので大きく触れることはしませんが、困ったのはマスクです。メイクをした状態でマスクをすると、マスクが擦れてメイクが落ちるわ、口の周りが水分でグズグズになるわで大変なのです。よく女性が言う「今日はマスクだから眉毛だけ書いてる」は、こういう理由があったのかと膝を打ちました。

写真AC

マスクをして外出するとなれば、メイクのやる気が一気に無くなるのです。逆に言えばマスクをすればメイクをする必然性が下がる訳です、マスクが手放せなくなる女性の心理には、こういう部分も作用しているかもしれないと思いを馳せました。

日本で1日に「1000万時間」がメイクの時間に使われている?!

こうして私の1週間メイク生活は終わりました。そこまで工程の多いメイクをしなかったということもあり、想像していたよりは面倒ではなく、メイクは見た目以外にも気持ちに作用するということが、自分の中では大きな発見でした。

私の場合、メイクをすると気持ちがシャキッとするのです。ただ私にとってのメリットはそのくらいしか無く、むしろデメリットとして気になることが多くありました。

まず朝、家を出る際に時間がかかるということです。私の場合は大体5〜10分程度でしたが、平均的には女性のメイク時間は15〜20分程度だそうです。毎日メイクをする女性がざっくり日本中で4000万人いるとすれば、一人15分と見積もっても、

40,000,000×15÷60=10,000,000
と、日本で1日に「1000万時間」がメイクの時間に使われていることになります。

これを何らかの方法で減らしたり無くしたりできれば、それはもう革命的なことだと思います。

また、メイクにかかる費用も見逃せません。ただでさえ男女の給与差がある中で、メイクをしない男性は更に差分を自己投資や趣味、資産形成等に使えることになります。よくある「デートの費用を男性が負担すべきかどうか」という議論も、このような観点から見ることで、違う景色が広がってくるのではないでしょうか。

写真AC

そして最後に、気持ちの問題です。私は自身の経験から、仕事をする上でメイクすることは生産性を下げる方向に働くと感じました。前述したように、単純に気が散りますし、夕方にもなれば不快感も出てきます。にも関わらず、女性がメイクをしないで外に出ると他人から何やかんやと言われるのです。

この現状に対して生きにくさ、やるせなさを感じる女性がいることは想像に難くありません。「女性活躍とか言う前にその風潮を何とかしてよ!」と怒る女性がいることも、今なら少し分かります。

1週間メイク生活は半ば暴力的に、私に新しい視点を提供してくれました。今回は私の興味の方向が婚活やジェンダー平等、働き方改革といった事柄であるためにそのような気づきが中心となりましたが、やる人の興味の方向次第では私とは全く違った気づきを得られると思います。新たな視点で世界を見てみたい男性のみなさん、1週間メイク生活おすすめですよ。

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