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フランスで新型コロナウイルス感染拡大:「過剰に恐れず、重症者を守る」対策方針 日本との違いは?

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Q)フランス政府や医療界は、どのようにこの問題に対処しようとしていますか?

政府は、毎日19時に行われる記者会見で「パニックにならないで下さい。我々は、いつ次のステージに進んだとしても十分立ち向かえるよう準備が整いました。」と国民に向けてメッセージを発しています。

ポイントは、陽性患者の8割は軽症であり、『コロナはエボラではない』ということです。決して油断はできませんが、怖がるあまりに過剰防衛することによって私たち自身の体力を弱くしたり、経済に壊滅的な影響を与えてしまう施策は取るべきではないと考えているようです。一方で、高齢者や有リスク患者層(高血圧や糖尿病などの持病を持つ人たち)を徹底的に守る事に力を注ぐべきと考えています。

そこで現時点では、学校の休校は全国一律ではなく、一部のクラスターまたは一部の生徒・クラスのみを対象としています。国境は閉めず、一方で入国したリスク国からの渡航者は2週間隔離をする方針を打ち出しています。

なおマクロン大統領は経済至上主義の政治家と見られがちですが、個人的な意見としては、両親・兄弟が医師の家庭出身であることもあり、公衆衛生を大切にする思想も持っていると思います。ただ、何事も全体のバランスが大事で、短期戦でウィルスに勝ちたいあまり過剰な対策をとると、長期戦で大敗となると考えているようです。

なおこうした政府の決定は、医療界全体の声と外れてはいないと感じています。政府の医政局長のジェローム・サロモンは公衆衛生が専門の教授で、大統領選前からのマクロンの医療ブレーンだったという関係性も働いているようです。

【取材協力】

奥田七峰子(おくだ・なおこ)さん

American Hospital of Paris医療通訳として勤務(1993-2004)

日本医師会総合政策研究機構駐仏研究員(1998-)

医療分野の通訳、調査報告書作成、コンサルティングを行う。

【個人ホームページ】

【参考となる情報】

フランス保健省会見

「コロナウイルスの現状のポイント 2020年3月6日」

Point de situation coronavirus 6 mars 2020

※Yahoo!ニュース個人から転載

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