記事

中韓の入国制限も唐突 困る留学生など

新型コロナウイルス感染症の水際対策ということで、政府が5日に打ち出した中国と韓国からの入国制限強化は、これまた安倍首相が、専門家などの意見も聞かずに唐突に決めた、と報じられています。安倍首相は、発表前日の4日午前に側近に指示をしたとのこと。

安倍首相は、4月に予定していた習近平国家主席の訪日延期を機に、自らの支持層の保守派が「中国全土からの入国拒否」を求めていたため踏み切った、といわれています。

今回の対策により、発行済みのビザの効力を停止するほか、9日以降に中国と韓国からの入国制限を強化し、日本人を含めた中韓からの入国者に、検疫所長の指定する場所で14日間待機するよう要請し、3月末まで行う、とのこと。

9日を前に、韓国などからの帰国を急ぐ人たちの動きが、ニュースになっています。航空会社の減収が拡大するほか、韓国などとビジネスをしている企業には、大打撃になります。

また、中韓の学生の日本留学も4月には間に合わなくなる等、当惑しているそうです。日本学生支援機構のまとめでは、国内の大学や日本語学校などで、約29万9千人の留学生が学んでいます。このうち中国からの留学生は約38%(約11万5千人)、韓国からが約6%(約1万7千人)です。在校中の留学生や外国人教員などが国外にいる大学などでは、授業を通常通り行えないと心配しています。

水際対策というなら、もっと早くにするべきで、中国では感染者の増加率が下がってきている今、なぜという思いがします。中国と韓国に滞在する駐在員などは、「あまりに突然で驚いている」「今さら、意味があるのか。日本政府は迷走している」と戸惑っていると伝えられています。

韓国では、防疫を超えた「政治判断」と強く反発し、昨日6日、日本人に認めているビザ免除措置と発行済みビザの効力を停止する、と事実上の対抗措置を発表しました。

菅官房長官は、昨日の参院予算委員会で、政府による中韓両国からの入国制限強化について、政府の専門家会議の協議を経ていない、と明らかにしました。専門家の意見も聞かずに、唐突に対策を打ち出すことを、安倍首相は、全国の小中高校の休校に続いて、また打ち出したことになります。

加藤厚労相も、要請を発表した当日に中身と大枠を詰めたと説明していて、制限の根拠を客観的、科学的に説明できていない、と指摘されています。ウイルス検査も公的保険の適用を始めましたが、態勢が整っていず、医師が必要とすればできる、という状態にはない、とのこと。

パフォーマンスではなく、現場の声を聞いて、国内での必要な対応に注力していもらいたいと思います。出口の見えない小中高校の休校について、全国知事会は、昨日6日、一斉休校について、自治体や家庭への丁寧な説明や財政支援を求め、学校再開の基準などを示すべきだとする提言書を文科省に渡しました。

このように唐突な対策を、科学的根拠なしに打ち出す安倍首相に、特別措置法の改正によって、人権を制限することも伴う緊急事態宣言を出せるようにすることには、大きな危惧を抱きます。

あわせて読みたい

「新型コロナウイルス」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    再々委託も 電通・パソナに疑惑

    田中龍作

  2. 2

    河井夫妻「Xデー」は6月18日か

    五十嵐仁

  3. 3

    米で広がる分断 アジア人も下層

    WEDGE Infinity

  4. 4

    ブルーインパルス 文字を描いた?

    河野太郎

  5. 5

    香港民主化の女神「すごく怖い」

    NEWSポストセブン

  6. 6

    渋谷で「一揆」補償巡りデモ行進

    田中龍作

  7. 7

    抗体簡易検査は「お金をドブに」

    中村ゆきつぐ

  8. 8

    給付金の再々委託 経産省に疑問

    大串博志

  9. 9

    黒人暴行死と特殊なアメリカ社会

    ヒロ

  10. 10

    若者に届け TV局がYouTubeに本腰

    放送作家の徹夜は2日まで

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。