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クランクアップ後に「帰宅困難区域」の桜並木で撮影 『Fukushima 50』に若松節朗監督が込めた思い


東日本大震災からまもなく9年。想像を超える被害が出た福島第一原発の事故について描いた映画が6日に公開された。

 佐藤浩市や渡辺謙ら、日本を代表する実力派俳優が集結した映画『Fukushima 50』。原作は、原発事故の関係者90人以上に取材したノンフィクション作品。2011年3月11日に発生した東日本大震災によって起きた福島第一原発事故で、原子炉の暴走を止めるために奮闘し、当時海外メディアから「フクシマフィフティ」と呼ばれた50人の作業員らの姿が描かれている。


「福島は9年経った。しかし、福島に行ってみると何も解決していない。復興できていない。これを世界に発信したいんですよ」

 作品を手掛けたのは、『沈まぬ太陽』など社会派・骨太作品に定評のある若松節朗(わかまつ・せつろう)監督だ。


「吉田所長は非常に有名な方で、NHKで『メルトダウン』というドキュメンタリーもある。映画作品としてやる時に、最前線で頑張っている(福島第一原発1・2号機の)当直長、これがやっぱりメインになる。これだったら自分の力を発揮できるのではないかと思った」

 原発事故の“リアル”を追求することにこだわった今作では、津波に襲われた原発屋外の様子や原発施設も巨大セットで正確に再現している。また、若松監督は原子炉に立ち向かった人々の“固い絆”を表現するために、福島の代表的な“あるもの”を演技に取り入れた。


「(福島民謡の)『相馬流れ山』という民謡をどうしても入れたくて。この発電所を預かる一番の責任者が渡辺謙さんなんですけど、この人は大阪生まれで東京の本店から来ている。この人が唯一のリーダーであるわけですけど、福島に根差した民謡を歌ってあげることで、地元の作業員たちも『発電所の所長が俺たちの歌を歌ってくれる』ということで傾倒していく。そういう“故郷”というのは意識して撮っていた気がします」

 福島第一原発事故を風化させてはいけない――。そんなメッセージを強く訴えかけるのは、美しく咲いた満開の桜並木で撮影したラストシーンだ。実は、クランクアップしてから約1か月後に「帰還困難区域」で撮影されたものだという。


「満開の桜、美しい桜が咲いてるんだけど、見る人が誰もいない。帰還困難区域だから人が入れない。この相反した美しい桜は、40年50年も咲き続ける。でも、廃炉作業も同じように40年50年(続く)。子どもたちに託されていくんですね。原発はまだまだ終わっていないという意味合いをこめて、浩市さんが『今年も桜が咲いたよ』って天国の吉田に言って、そのあと苦渋の顔をして、本当は涙も流している。それがとても印象的ですね」

(AbemaTV/『AbemaMorning』より)

映像:原発屋外の様子や施設も巨大セットで正確に再現

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