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社長さんは「社外取締役制度」が本当にお嫌い??

昨年に引き続き、今年も旬刊商事法務に論稿を掲載させていただきます。8月5日、15日の合併号でして、タイトルは「監査役の責任と有事対応のあり方-監査見逃し責任を認めた判例の検討-」というもの。私のようなフツーの実務家が書いたものなので、学術的なレベルはあまり高くはありませんが、裁判ですぐに使えそうな(実際、私は使ったことがあります)判断枠組みを提言しておりますので、裁判実務にそのまま役立つようなものとして検討いただければ幸いでございます。

さて、本日はそれほど堅苦しいお話ではございません。ただ、先週はある会社(A社)の管理部門担当の取締役さんから、そして昨日は某地域の経営者会議にお招きいただき、そこで(たくさんおみえになっていた会社さんのうちの一社である)某社(B社)常務取締役さんからそれぞれお聴きした話のなかに、とてもおもしろかった共通のご意見がありましたので、当ブログでご紹介したいと思います。

どちらの会社も、かなり以前から取締役会に複数の社外取締役さんがいらっしゃる比較的大きな上場会社さんです。私もきちんと調べたことがないので、よく存じ上げないのですが、結構社外取締役が(半数に近いほど)複数いらっしゃる上場会社というのは増えているようで、半数近い、ということだと、「ガバナンス改革に積極的な会社」だというイメージを抱いてしまいます。私などは教科書的な発想しかできないものですから、「半数近くが社外取締役」などといった話を聞きますと「すごいですね、社長さんは経営の透明性について真正面から取り組んでおられるのですね」といった感想をもらすことになります。

すると、おふたりとも興味深い回答が返ってきました。

「まぁ、表向きはそのように受け取られていますし、決して透明性について否定的だとは言いません。しかし、社長はそれほど社外取締役制度について熱心だとはいえないと思います。」


とのこと。では、なぜボードにおいて複数の社外役員に就任してもらっているのか、というと

「取締役の人数が多かった昔は、派閥抗争がひどかったのです。社長は社内力学ばかり気になってしまって、取締役会の構成員に対する政治的な配慮ばかり気にしていました。しかし、これだけ意思決定のスピードが要求されるようになって、根回しする時間などありません。社外取締役をたくさん指名するようになってからは、社内取締役は腹心だけで固めて、社外取締役も昔から気心の知れた仲間ばかり。つまり、社内役員の人数を減らして、社内における派閥抗争を抑えることが本当の理由です」


とのこと。

ええ!?ホンマですか?もちろん立ち話での会話ですから、多少は大げさな表現もあるかもしれませんが、ほぼ同じくらいの規模の全く異なる業界の方々から、同じようなお話をされますと、そういった思慮が社長に働くこともあるかも・・・と思ってしまいます(昨日のお二人目の役員さんの場合、正直に申し上げますと「こんなことってありませんか?」と私のほうから質問をしたところもありますが・・・)

外国人株主比率が高い会社であれば、外見を気にして社外取締役を複数導入する、ということは良く聞くところですが、これはなかなか人間臭いお話です。いずれにしましても、社外取締役制度を導入することに熱心な会社だからといって、必ずしも「耳の痛い意見に真摯に耳を傾ける」社長さんばかりではない、ということが少しばかり気になったような次第です。ということで、本日は軽く聞き流していただいて結構なお話かと。。。

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