- 2020年03月07日 14:04
【復興五輪と聖火リレー】「聖火リレーコースの7割近くが高濃度汚染」測定グループなどが日本外国特派員協会で会見。「被曝続いているのに五輪で〝復興〟などあり得ない」
1/2原発事故後の福島県内で放射能測定を続けている市民グループや住民たち3人が3日午後、都内で会見し、今月26日に「Jヴィレッジ」(福島県双葉郡楢葉町)で始まる聖火リレーについて、測定結果を示しながら「リレーコースや周辺の放射能汚染は依然として解消されていない」と発表した。
福島県は「問題無い」と公表しているが、聖火リレーコースの土壌汚染密度は7割近くが「チェルノブイリ法」での避難基準を上回るほどで、飯舘村では214万Bq/㎡に達した。3人は「原発事故はまだ終わっていない。せめて吸い込まないよう注意喚起を」と訴えている。

【今なお続く土壌汚染】
「日本外国特派員協会」で会見を開いたのは、青木一政さん(「市民放射能監視センター・ちくりん舎」副理事長)、中村順さん(「ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト」)、飯舘村民の伊藤延由さんの3人。青木さんがまず、調査の概要を説明した。
「2019年12月16日から18日、2020年1月13、14日の5日間、原発事故による放射線影響が特に懸念される浜通り地域を中心に汚染状況を調査しました。69カ所に関して、地上1メートルの高さでの空間線量と土壌汚染密度を測りました。空間線量については日本政府が定めた除染特措法の基準(0・23μSv/h)によって、土壌汚染のレベルについては、チェルノブイリ法での指定基準に従って分類しました」
その結果、放射能汚染が今も続いている実情が改めて分かったという。
「土壌汚染密度は全69カ所のうち4%が『強制移住ゾーン』(148万Bq/㎡以上)のレベルに相当する事が分かりました。15%が『義務的移住ゾーン』(55万5000Bq/㎡以上)、36%が『移住の権利ゾーン』(18万5000Bq/㎡以上)、26%は『放射能管理強化ゾーン』(3万7000Bq/㎡以上)に相当しました。
指定に該当しなかったのは、わずか19%でした。聖火リレーコース上の土壌(21カ所)に限定しても、指定基準以下の土壌は、わずか33%でした。空間線量は、全ての地点で除染が完了したとされているにもかかわらず、62%が0・23μSv/hを上回りました。聖火リレーコース上でも、52%で0・23μSv/hを超えました」
「原発事故から立ち直った福島の姿」を国内外に発信する機会として使われる〝復興五輪〟と聖火リレー。しかし、被曝リスクは今なお存在している。中でも、飯舘村の土壌汚染密度は200万ベクレルを上回った。
「飯舘村の聖火リレーコース上で、極めて高線量のホットスポットを発見しました。空間線量は0・85μSv/h、土壌汚染密度は214万Bq/㎡でした。この場所での年間被曝線量は、7・5mSvに相当します。年間1mSvの7倍を超えるレベルです」



- 鈴木博喜 (「民の声新聞」発行人)
- フリーライター