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内モンゴルの村を蝕むレアアース汚染

レアメタル、レアアースについては2010年10月に書いた記事で、中国の産地は内モンゴルに集中していることや、日本は隣接するモンゴルと開発協力を取り付けていると書いた。

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中国最大のレアアース生産基地内モンゴル自治区包頭パオトウ市付近の状況が悲惨なことになっている。(近くのバヤン・オボー(白雲鄂博)鉱床で、2004年実績で全世界生産量の50%を占めた。)
仏ル・モンド紙のセシレ・ボントロン特派員は2012年7月20日、内モンゴル包頭市についての記事の中で、中国で行われている大規模なレアアース生産は環境を汚染して住民を害し、家畜や水、土壌にすでに挽回できないほどの壊滅的な損失をもたらしていると報じた。10平方キロメートルの巨大な廃水湖には、周辺工場から17種類のレアアース廃水が排出されている。水中には有毒元素が含まれているため、魚はおらず水草もほとんど絶えてしまっている。、、汚染はますます深刻になり、野菜は全く育たなくなったため、工場付近のいくつかの村の村民は田畑を放棄したと話す。

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包頭市では各種の工業工場や火力発電所も同地区の汚染を深刻化させている。排出される石炭灰が家屋の周囲に漂い、手を伸ばせば粉塵をつかむことができるほ どだ。現地住民は硫酸など化学物質の蒸気や石炭灰を吸い込みながら生活しているうえ、土壌、地下水にも有害化学物質が充満している。
工業情報部の蘇波・副部長によれば、レアアース採掘は先ず鉱山に生える植物を全て排除したあと、2、3メートル間隔に穴を掘り、酸性の液体を注入する。以 前はシュウ酸を使用していたが、現在は硫酸アンモニウムを使用しているという。1トンのレアアースを採掘するためには7、8トンの硫酸アンモニウムが必要 だ。硫酸アンモニウムは長い間地下に残留し、もし地下水に流れ込んだら、結果は想像に耐えないと蘇氏は述べている。

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レアアース抽出後の廃水に多くの有害物質や放射性物質が含まれている。ル・モンド紙は、これらの物質が採掘現地で、すい臓がん、肺がん、白血病を引き起こしていると伝えている。

中国新唐人テレビは2010年、現地住民に対し取材を行っており、包頭鉄鋼の廃水汚染に加えレアアース選鉱くず湖汚染により近隣の村数カ所でがん患者が激増していることを報じている。写真参照先 記事参照

中国が2010年に設けた「レアアース工業汚染物質排出基準」は世界で初の、レアアース業界の排出量を規定したガイドラインだった。この「排出基準」はレアアース企業の排出量、エネルギー消費量などに細かい規定を設け、大量のレアアース製錬企業は今後2,3 年のうちに、環境保護施設建設のために大金を投じなければならなくなるだろうと2010年に言われていた。中国の業界内全体で言えば、10億元を超す金額が注ぎ込まれる事になるのだが、果たしてこれは実行されているのだろうか?このことは、大気や海洋汚染とも関係し、中国だけの問題ではない。さらに問題なのは、大手企業が基準を守ったとしても、現実には多くの闇鉱山が存在し、地方政府がこれらを黙認している節があることだ。 参照記事

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