記事
- 2011年02月18日 00:29
米有力スポーツ誌「SI」の電子雑誌、なぜ端末がiPad/iPhoneでなくてAndroidか
1/3
米アップルが一昨日に発表したApp Storeにおける定期購読(サブスクリプション)サービスに対して、新聞社や雑誌社のパブリッシャー側は不気味なほど沈黙を押し通している。
待望の定期購読サービスが開始されたのに採用を明らかにした雑誌/新聞はPopular Science、Elle、Nylonくらい。一足先にNews CorpのiPad専用新聞「The Daily」が同サービスをAppleの強力なサポートの下で適用したが、その後を他パブリッシャーが雪崩を打って追従してくれるとのAppleの期待は空振りしたのかもしれない。まぁ、今のところ様子見の段階か。
もともとパブリッシャー側のAppleに対する警戒心は大きい。Appleが音楽産業の流通プラットフォームを事実上支配してきたように、次は新聞、雑誌、そしてビデオ(映像)産業の流通も支配していこうとしているからだ。今回の定期購読サービスで本格的に動き出したとも言える。この定期購読サービスについて、Appleは大手パブリッシャーに前もって説明し、採用を促していた。ところが逆にAppleへの警戒心をさらに膨らませたパブリッシャーが少なくなかったようだ。
例えば欧州の新聞社協会(ENPA: the European Newspaper Publishers' Association)は、Appleの発表に先立って反旗を翻した。iPad向け電子新聞の定期購読プランが、Appleのコントロール下で行われようとしていることに反発したのだが、一番問題にしたのは新聞(社)と読者との間の直接の関係が断たれることを警戒したのだ。ENPAにはEU23ヵ国の5200タイトルの新聞が加入している。
米国の有力な雑誌社も、既にiPadアプリの電子雑誌を一部売りしていても、今のところ定期購読サービスを加えようとしていない。それどころか、Appleの定期購読サービスが発表される直前にわざわざ、Time社やConde Nast社などの大手出版社は Androidタブレット向けの電子雑誌に力を入れていくとアピールした。またこうした流れを後押しするかのように昨日は、Googleがコンテンツ流通サービス「One Pass」を発表。定期購読サービスも提供していく予定で、Appleに比べかなり優位な条件をパブリッシャーに提供していくという。
このようにApple独走に待ったをかける動きが活発になっている。そのなかで注目したいのが、米最大の出版社であるTime社の動きだ。Appleを無視するかのように先週末、独自の定期購読サービスを始めたので、それを追ってみよう。まず同社は、人気スポーツ誌「Sports Illustrated」を手始めに、電子雑誌を含めた定期購読プランを明らかにした。このプランでは、紙の雑誌やWebサイト、それにスマートフォンやタブレット対応の電子雑誌をセットにし、その年間購読料を設定した。
リンク先を見る
今回の発表で驚かされたのは、対応するスマートフォンやタブレット端末として、iPhoneとiPadを外したことだ。現時点で電子雑誌の対象となるのはAndroid製品が中心となる。またいずれ、紙の雑誌だけの定期購読を無くしたいようである。これから読者に定期購読してもらうコンテンツは、PCやモバイル端末それに紙(プリント)のどのメディアからも閲読できるようにする。つまり定期購読してもらうのは紙の雑誌ではなくて、Sports Illustrated(SI)のブランドということである。紙の雑誌は閲読チャンネルの一つ(one of them)に過ぎない。
今回の定期購読プランでは次の二つを用意した。
・Print/Digital Bundle:下の写真で示したように、Print(紙の雑誌)に加えてWebコンテンツ、そしてAndroid対応のタブレット( 現在はサムソンのGalaxy Tabだけ)やスマートフォン向けの電子雑誌アプリのどれからも閲覧できる。対応タブレットとしては、今夏発売のHPのTouchPad(webOS搭載)も加わる予定。購読料は年間48ドル、月間4.99ドルである。
待望の定期購読サービスが開始されたのに採用を明らかにした雑誌/新聞はPopular Science、Elle、Nylonくらい。一足先にNews CorpのiPad専用新聞「The Daily」が同サービスをAppleの強力なサポートの下で適用したが、その後を他パブリッシャーが雪崩を打って追従してくれるとのAppleの期待は空振りしたのかもしれない。まぁ、今のところ様子見の段階か。
もともとパブリッシャー側のAppleに対する警戒心は大きい。Appleが音楽産業の流通プラットフォームを事実上支配してきたように、次は新聞、雑誌、そしてビデオ(映像)産業の流通も支配していこうとしているからだ。今回の定期購読サービスで本格的に動き出したとも言える。この定期購読サービスについて、Appleは大手パブリッシャーに前もって説明し、採用を促していた。ところが逆にAppleへの警戒心をさらに膨らませたパブリッシャーが少なくなかったようだ。
例えば欧州の新聞社協会(ENPA: the European Newspaper Publishers' Association)は、Appleの発表に先立って反旗を翻した。iPad向け電子新聞の定期購読プランが、Appleのコントロール下で行われようとしていることに反発したのだが、一番問題にしたのは新聞(社)と読者との間の直接の関係が断たれることを警戒したのだ。ENPAにはEU23ヵ国の5200タイトルの新聞が加入している。
米国の有力な雑誌社も、既にiPadアプリの電子雑誌を一部売りしていても、今のところ定期購読サービスを加えようとしていない。それどころか、Appleの定期購読サービスが発表される直前にわざわざ、Time社やConde Nast社などの大手出版社は Androidタブレット向けの電子雑誌に力を入れていくとアピールした。またこうした流れを後押しするかのように昨日は、Googleがコンテンツ流通サービス「One Pass」を発表。定期購読サービスも提供していく予定で、Appleに比べかなり優位な条件をパブリッシャーに提供していくという。
このようにApple独走に待ったをかける動きが活発になっている。そのなかで注目したいのが、米最大の出版社であるTime社の動きだ。Appleを無視するかのように先週末、独自の定期購読サービスを始めたので、それを追ってみよう。まず同社は、人気スポーツ誌「Sports Illustrated」を手始めに、電子雑誌を含めた定期購読プランを明らかにした。このプランでは、紙の雑誌やWebサイト、それにスマートフォンやタブレット対応の電子雑誌をセットにし、その年間購読料を設定した。
リンク先を見る
今回の発表で驚かされたのは、対応するスマートフォンやタブレット端末として、iPhoneとiPadを外したことだ。現時点で電子雑誌の対象となるのはAndroid製品が中心となる。またいずれ、紙の雑誌だけの定期購読を無くしたいようである。これから読者に定期購読してもらうコンテンツは、PCやモバイル端末それに紙(プリント)のどのメディアからも閲読できるようにする。つまり定期購読してもらうのは紙の雑誌ではなくて、Sports Illustrated(SI)のブランドということである。紙の雑誌は閲読チャンネルの一つ(one of them)に過ぎない。
今回の定期購読プランでは次の二つを用意した。
・Print/Digital Bundle:下の写真で示したように、Print(紙の雑誌)に加えてWebコンテンツ、そしてAndroid対応のタブレット( 現在はサムソンのGalaxy Tabだけ)やスマートフォン向けの電子雑誌アプリのどれからも閲覧できる。対応タブレットとしては、今夏発売のHPのTouchPad(webOS搭載)も加わる予定。購読料は年間48ドル、月間4.99ドルである。