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全面休校要請に浮かぶ疑問点

 今晩(27日)、驚くべきニュースが飛び込んできました。安倍晋三総理大臣が午後6時過ぎに「全国すべての小学校、中学校、高校、特別支援学校について来週3月2日(月曜)から春休みまで臨時休校を行うよう要請します」と述べられました。

 あまりに突然の表明に耳を疑いました。私だけではなく、ほとんどの与党議員にとっても寝耳に水で、担当であるはずの文部科学省の方々も詳細には説明できない状況です。

 安倍総理は休校要請の理由を「子どもたちの健康・安全を第一に考え、多くの子どもたちや教員が日常的に長時間集まることによる感染リスクに備える観点」と説明されています。その理由であれば幼稚園や保育園も対象にしなくてはなりません。

 共働きやひとり親の家庭のことを考えたのであれば、小学校低学年や特別支援学校の子どもを抱える家庭はどうなるのでしょうか。学童保育(放課後児童クラブ)は休校の対象ではないと厚生労働省が発表したようですが、学童保育は午後の放課後の時間から開所されるのが通常なので、その時間まで自宅に子どもたちだけで待機することも想定しているのでしょうか。(急遽、終日開所しろと言ってもスタッフを集められません)

 共働き家庭が少数派の時代だったらこうした休校の線引きもまだ妥当だったかもしれませんが、今の日本社会では小学校や特別支援学校の休校はたくさんの家庭に影響します。

 総理は民間企業などに「休みが取りやすくなる環境を整えていただくとともに、子どもを持つ保護者の方々への配慮を」と述べられています。

 全国で1学年約100万人の小学生がいるとすれば、低学年の小学生を抱える家庭は数百万世帯です。つまり、小学校の休校で数百万人の方が仕事を休まざるを得なくなる可能性があるということになります。しかも、そうした人たちは働き盛りの若い世代が多いとみられます。

 こうした事態を招きかねない休校要請に関して、仕事を休めるような「環境整備」や「配慮要請」で対応できるでしょうか。全面的な休校要請を行うのであれば、経済打撃も覚悟の上で企業への休業要請にまで踏み込むべきではないでしょうか。

 これらの疑問に明快に答えられる人が現状では見つかっていません。

 臨時休校前に子どもたちが登校するのは明日、金曜日一日です。自治体や学校側は子どもたちが下校する時刻までに何らかの説明をせざるを得ません。

 「文部科学省の幹部は『驚いている。しかし、政府の方針が示された以上、教育現場が混乱しないよう最大限の措置を取る』と述べた」と報じられています。

 私も与党議員の1人として同じ思いです。まずは明日一日できるだけのことをやらなければいけません。

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