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ヤクザと赤福だけじゃない 暴力団グッズ作るカタギの人々

山口組との取引が発覚した赤福(時事通信フォト)


代紋入りグッズの数々

 2月19日、銘菓『赤福餅』を製造・販売する三重県伊勢市の和菓子メーカー・赤福のグループ会社が、陶磁器ボトルに山口組の代紋や中核組織の名が入った焼酎を製作、当該団体に販売していた事実が判明した。2000年から2012年にかけて8180本を販売、約1500万円の売り上げがあったという。

【写真】鈴木氏所有の代紋入りグッズの数々

 指定暴力団とのあらゆる取引を禁止した暴力団排除条例が施行されたのは2011年4月であり、赤福の取引の一部は条例に抵触することになる。

 暴排条例以前、ヤクザは数々の企業と取引をしていた。ヤクザの葬儀では、高級料亭から板前が何十人もやってきていた。

 今回の焼酎のような“代紋入りグッズ”は、いわば家紋入りの商品と同じだ。紋付き袴はもちろん、扇子や手ぬぐい・風呂敷など、和装やその小物がメジャーだが、灰皿や湯飲み、一升枡、ネクタイやカフスなどもある。年末になれば組織名の入ったカレンダーが構成員や周辺者に配られていた。

 報道された焼酎を見たことはないが、同じような酒類のボトルや一升瓶を、事務所で目にしたことは何度もある。これらは当然、民間企業が作っている。ただし、暴排条例によってこうした取引は極端に減り、今は代目継承式の会場に運ばれる仕出し料理屋の名前すらシークレットとされる。

「事務所の電気工事をしていた業者や出入りの写真屋も、警察の指導があったのか取引を断わってきた。防弾車の車検も業者には出せない」(指定暴力団二次団体総長)

 赤福のような有名企業による“代紋入りグッズ製造”の事例が今も残っているとは考えにくいが、日本酒の蔵元のような地方の業者が、今も内々に交流している例はあり得るだろう。赤福が取引を解消して7年も経って騒動となったのは、この不祥事をネタに恐喝を企んだ不届き者がいたからだ。暴力団はいざとなれば、自分との交流をネタに企業を恐喝しかねない。“グッズ製造”のリスクも大きい時代なのだ。

●文/鈴木智彦(フリーライター)

※週刊ポスト2020年3月13日号

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