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新型肺炎と政府の「情報発信」 「桜を見る会」問題と“3つの共通点” 「小さなこと」の桜すら説明しないなら - プチ鹿島

 新型コロナウイルスの記事。私は「情報発信」というキーワードで注目してみた。

【画像】新型コロナ対策に「いつもの手口は通用しない」と指摘される安倍政権

 まず、「東出にも新型コロナ問題」と書いたのは東スポだ(2月21日付)。

 何かと思えば東出昌大の情報発信について。

「東出が会見を行うとなれば、会場には数百人の記者らが殺到することは確実。すし詰め状態が予想され、万が一、新型コロナの感染者がいたら拡散は避けられない」ことから、「会見は自粛して書面で済ませる?」と。

 東出昌大が会見をするかしないか、この記事の信憑性が高いか低いか、この際私はどうでもいい。「東出」「新型コロナ」という現状のパワーワードを組み合わせて一本書いた東スポの夕刊力(下世話力)に唸るばかり。


東出昌大 ©︎文藝春秋

政権の「桜を見る会」問題への対応そのもの

 さて政府の情報発信について、いち早く叱っていたのは産経新聞の社説だ。

「【主張】新型肺炎 政府は明確な発信怠るな 『国内流行』への備えを急げ」(2月15日)

 産経師匠がどれだけご立腹か、抜粋してみる。

・現状をきちんと説明することが求められる。
・菅義偉官房長官らの説明が不十分だからだ。
・的確な発信がなければ人々は政府を疑い、不安や混乱が広がるリスクがある。

 いかがだろうか。産経師匠は新型コロナについて書いているが、これは政権の「桜を見る会」問題への対応そのものでもある。

 私は以前に《もし「小さなこと」の桜すら説明しないなら、今回の中国と同じような「大きなこと」が今後起きたときも「ちゃんと説明されないのでは?」と不安に感じてしまう。》と書いたが(1月31日)、この社説が証明してくれたのである。

安倍政権は「情報開示に消極的」

 情報に対するお題は新型コロナや桜だけではない。次は信濃毎日新聞を見てみよう。

「辺野古軟弱地盤 移設は不可能ではないか」(社説・2月18日)

「基地建設など不可能ではないか」と書き出す社説は「辺野古の埋め立て予定海域の一部で、約70メートルより深い海底地盤が軟弱とみられるデータの存在が明らかになった」とし、これまでの政府説明に大きな疑問符が付いたと指摘する。

 そして後半。

《安倍晋三政権は不都合な事実は過小評価し、情報開示に消極的だ。民意も一顧だにしない。「危険な普天間飛行場の固定化を避ける」と繰り返すばかりだ。》

 ここでも出てくるのは政府の「情報開示」。いろいろ繋がっている。

安倍首相と菅官房長官「望ましいとの意向」

 まだある。次はさらに上のステージ。情報の解釈について。

「検察官定年延長、法解釈巡り 人事院が答弁修正 首相と整合か」(東京新聞Web2月20日)

 東京高検の黒川弘務検事長の定年延長を巡り、まさかの法解釈? なんでまたそんなことを?

 すると、読売新聞にわかりやすい解説が載っていた。

「検事長定年延長が波紋 政府、苦肉の法解釈変更」(2月21日)

《検察官の定年延長に前例はなく、政府が一定の独立性を求められる検察の人事に介入した可能性があるためだ。》

 これだけでもギョッとするが、驚くのは次。

《政府関係者によると、次期検事総長の人選は、昨年末から官邸と法務省との間で水面下で進められた。同省から複数の候補者が提案されたが、安倍首相と菅官房長官は黒川氏が望ましいとの意向を示したという。》

 答えが書いてあった。安倍首相と菅官房長官の意向なのだ。

 これまで他紙では「首相官邸に近いとされる検察ナンバー2の黒川氏」(東京新聞2月4日)とか、「安倍政権との距離が近いとされる黒川氏」(朝日新聞2月4日)など、権力と「近いとされる」という書き方だったが読売ではハッキリと近さが書かれていた。首相が教えてくれたように読売を熟読したらよくわかったのである。

「モリカケ以上の忖度」

 それにしても首相の意向に合わせて周囲があたふたしている様子、どこかで見なかったか? 日刊スポーツがずばり書いていた。

「モリカケ以上の忖度」(2月24日)

 冒頭がすごい。「政府答弁が、見苦しさを増している。」

 さらに、

《弁護士出身の法相や法務省、人事院の答弁が、安倍晋三首相の主張に沿う形で迷走し、虚偽答弁の指摘も受けている。》

 どうしてこうなっちゃったんだろう……。

 毎日新聞は「これでも法治国家なのか」と怒りの社説を書いたが(2月21日)、「官邸の意向に合わせ、つじつま合わせに走る大臣や役所」(日刊スポーツ2月24日)という姿が平気でむき出しになるのは来るところまで来た気がする。

地元では「箝口令が敷かれている」

 そういえば次の記事もあった。

「桜招待『事務所に言えば行ける感じ』 首相の私物化露呈」(朝日新聞デジタル2月22日)

 安倍首相の事務所が推薦するなどとした「政治枠」、朝日新聞の取材に応じた政府関係者は、内閣府でも事実上チェックをしていなかったと証言したのだ。

 私が注目したのはこの部分。

《朝日新聞は2月上旬、下関市内の複数の安倍首相支援者らに取材した。多くが「箝口令(かんこうれい)が敷かれている」などと口を閉ざす中、22人が取材に応じた。》

 地元では箝口令が敷かれていると証言されていた。これも情報対策である。

 そういえばANAホテルも急に口を閉ざした。クルーズ船ではなくこっちの封じ込めは成功した模様。

 東京新聞の「こちら特報部」は政府の“情報対策”について、

《公文書の改ざん、廃棄、虚偽答弁、勝手な法解釈、官僚人事の操作…あり得ない手口を駆使して維持してきた憲政史上最長政権だが、新型コロナウイルス対策にいつもの手口は通用しない。》(デスクメモ・2月26日)

 と書いた。

 コロナウイルスという「外圧」に対してどんな振る舞いをするか。はやりの言葉でいうなら政府に対する視線も「フェーズが変わった」のである。

(プチ鹿島)

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