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新型コロナウイルス問題ではっきりした中国の影響力、習主席の来日は「国賓」でよいのか?

田原総一朗です。

新型コロナウイルスの感染が、日に日に広がっている。
人々の健康面への影響はもちろんだが、経済への打撃についても深刻だ。
21日、日銀の黒田東彦総裁が、「世界経済全体に波及する可能性が高い」とし、「必要な時に必要な措置がとれるよう万全を期したい」と強調した。

2003年に起こった「SARS」も中国が発生源であったが、当時と現在とでは、中国が世界経済に与える影響力がまるで違うのだ。

現地での工場閉鎖、流通業の閉店、資材や中国製品の輸入ストップ……。
感染予防に欠かせないマスクも、日本で売られるそのほとんどが中国製のため、現在品切れ状態だというから皮肉なものである。

この十数年で、中国経済が、それだけ成長したということだ。
はからずも今回の感染問題で、中国が世界経済における存在感を見せつけたわけである。

このような状況のなか、4月には中国の習近平国家主席の国賓としての来日が予定されている。
今のところ政府は予定通りとしているが、今後どうなるのか不透明だ。

感染問題には配慮すべきだろうが、僕は、習主席が、「国賓」として来日すること自体には賛成である。
今回の問題でもわかるように、中国が日本に与える影響は大きい。
日本は、中国と仲良くすべきであると考えるからである。

しかし、「習近平を国賓として招くべきでない」と主張する学者がいる。
筑波大学名誉教授の遠藤誉さんだ。
僕は自分と真っ向から反対の意見を持つ人とこそ、議論したいのである。
遠藤さんは、中国本土を含め、世界各地に信頼できる情報源を持つ、中国ウォッチャーとして尊敬されいてる人物だ。
ぜひ議論をしたいと考え、対談が実現。
『日中と習近平国賓』として、緊急出版した。

遠藤さんは、「中国の一党支配体制が続いているのは、日本のせいだ」と主張する。
1989年天安門事件が起こった。
中国の民主化運動が最大に燃え上がったこの時、「中国の一党支配体制が崩壊寸前まで行ったのに、それを食い止めたのが日本だ」というのだ。
アメリカをはじめ西側諸国は、残虐な武力弾圧をした中国共産党政権に対して、強烈な糾弾姿勢を取り、対中経済封鎖を断行する。

ところが、当時の日本の宇野宗佑首相は、1989年7月のアルシュ・サミットで、中国を孤立させるべきではないとして、中国政府を擁護した。
さらに92年には天皇陛下が訪中し、「これが中国の息を吹き返させた」。
これが遠藤さんの主張だ。
そして、今回も、中国政府は香港でデモを弾圧した。
そのような国の主席を赦すように、国賓として招くなどもってのほか――というのだ。

もちろん僕も、ウイグル族への弾圧、尖閣諸島をめぐる領海侵犯、日本人学者をスパイとして拘束するなど、中国国内、そして日中の間に大問題があり、抗議すべき点はすべきだと考える。

しかし、中国が隣国であるという事実からは逃れようがない。
日中の友好、経済交流は非常に重要であるし、今回の習主席来日も国益にかなうと考える。
そう主張する僕に、遠藤さんは遠慮なく反論する。
そして、「田原さんはジャーナリストなのだから、政府答弁のようなことは言わず、ナマの声を発しないのか」など、ズバズバと言われた。
予想以上に刺激的で濃い議論となった。

遠藤さんと僕の考えは違う。
しかし、「中国が日本にとって非常に重要な存在だ」ということは間違いなく共通している。
また遠藤さんと意見をぶつけ合ってみたい。

そして、今回の感染問題が、1日も早く収束することを願う。

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