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どこでも人は死んでいる

女児のいじめ問題対応中の新任校長、自殺(読売新聞)

 津市立小学校の男性校長(54)が同市内の山中で首をつって自殺していたことが、津市教育委員会や津署への取材で分かった。

 津市教委は18日午前、記者会見を開き、校長が校内のいじめ問題の対応にあたっていたことを明らかにしたうえで、自殺との関係を調査していると発表した。

 津市教委などによると、校長は15日午後、自宅を出たまま行方不明となり、16日朝、山中で首をつった状態で発見された。状況から自殺とみられるが、遺書は見つかっていないという。


 こちらは大津ではなく「津」の話ですが、いじめ問題の対応に当たっていた校長が自殺したそうです。具体的に何がどう校長を自殺に追い詰めたのかは不明ですが、いじめとの因果関係はどんなものなのでしょう。大津市の方の問題では、部外者がとやかく安易な口出しを続けている印象が拭えませんけれど、そう簡単に片が付く問題ではないような気がしますね。いじめというのは、その行為が周囲から是認されているからこそ続くもの、ある種の運動部の伝統みたいに深く根付いたところがあって、それを止めさせようというのは教員にとっても容易なことではないように思います。

 まぁ、津市の校長の方は他にも問題があったのかも知れません。病気なり金銭問題なり家庭問題なり、そういうこともあるでしょう。子供と違って、大人は頻繁に自殺します。子供の自殺は珍しいからニュースになりますが、大人の自殺は毎年3万件超、子供の自殺数とは比べものになりません。日本全体で見てみれば、至って良くある日常の風景です。そんなわけで大人の自殺は、ちょっとやそっとのことでは新聞に載ったりしないものです。世知辛いですね。年齢が上がれば上がった分だけ、世間は冷たくなるものなのでしょうか。世間はどうしても、珍しい方のニュース、頻度が低い方の問題に関心を持ちがちです。

 ところで皆様、弔電を打ったことはありますか? 個人では、あまりやらないと思います。会社でも、今時はあまりないでしょうか。ただ私の今の勤務先では、社員なりその親族なりが死んだときには、律儀に必ず弔電を打っているわけです。しがない派遣の事務員である、私が。最初は弔電の打ち方なんて分からなくて弱りましたが、今はもう馴れたものです。頻繁に打つ機会がありましたので。次に他の会社の面接を受けるときは「弔電が打てます」とかスキルをアピールしようかなと思います。それを評価する会社があるともなかなか考えにくいですが。ともあれ会社で弔電係?をやっていると、割と頻繁に人って死んじゃうんだなぁと、否が応でも気づかされます。冷静に確率を計算してみれば、特に自分の職場周辺で死ぬ人が多いわけでもない、特別なことは何もなくても寿命を迎えてしまう人はそれくらいいる、どんなに平均寿命が長くても早死にしてしまう人もいるのだと分かりますけれど、どうしても感覚的には人の死って特別なものですから。

溶解炉から人体の一部、作業員が転落か いわき大王製紙(朝日新聞)

 22日午後7時10分ごろ、福島県いわき市南台4丁目のいわき大王製紙の工場から、「作業員が炉に落ちたようだ」と110番通報があった。いわき南署が調べたところ、溶解炉の中から人体の一部が見つかった。同署は、点検をしていた30代の男性作業員が過って炉の中に転落し、死亡したとみている。

 同署によると、男性は同3時すぎから1人で、古紙を溶かす溶解炉(直径5メートル、高さ10メートル)の天井に上がり、定期点検をしていた。天井には1メートル四方の開閉式の口が数カ所あり、署員が駆けつけた際、1カ所が開いていた。同社などによると、炉は古紙と湯をスクリューで混ぜており、点検中も動いていたという。


床下の作業員男性、雨で流入の土砂に埋まり死亡(読売新聞)

 21日午後0時30分頃、大阪府箕面市瀬川4の改修工事中の民家で、床下に掘った深さ約1・5メートルの穴の中で作業していた土木作業員の男性が、流れ込んで来た土砂に埋まった。

 約3時間後に箕面市消防本部の隊員らが救出したが、間もなく死亡が確認された。府警箕面署は、死亡したのは鳥取県米子市旗ヶ崎3、白川高雄さん(38)とみて確認を急いでいる。

 同署によると、男性は同日朝から、民家の外壁沿いに開けた穴(幅60センチ、長さ100センチ)から床下に入り、土台の補強作業をしていた。午前11時40分頃、コンクリートの床面が突然はがれ落ちて床下に閉じこめられ、外にいた同僚と携帯電話で連絡を取っている間に雨が激しくなり、穴のそばに積み上げた土砂が崩れて流れ込んだという。


 前にも書きましたように、会社では工事の元請けもやっていたりするわけです。危険がありそうなものと言えば高所作業などもそれなりに多いのですが、ともあれ私の勤務先が絡む工事でも決して深刻な事故と無縁ではいられない、あわやという場面もあります。流石に死人が出るケースは滅多にないですけれど、転落して骨折したとか、うっかりむき出しの線に触れて感電したとか、蓄電池の溶液を漏らしちゃったとかは同業他社も含めれば結構あるのです。どこもそんなに、安全が保証されているものではないのでしょう。工事の発注元は安全管理面であれやこれやと注文を付けてきますが、なかなか事故が0になることはありません。

 大まかな分類だと自分の業界は建設業になるのでしょうか。建設業の労働者1,000人当たりの死傷者数は概ね5人程度、ホワイトカラーを含めた全産業の平均は2人強ですから、それなりに危険です(もっとも業務「外」で死ぬ人、仕事とは無関係の事故や病気などで亡くなってしまう人の方が格段に多いですが)。しかるに群を抜いて危険な業界なのが林業で、労働者1,000人当たりの死傷者数は30人弱だったりします。さらに死傷災害に占める「死亡」件数は林業以外が1%程度であるのに対し、林業の場合は2~3%と高い水準です。で、もう随分と昔のことに思えてしまうのですが「派遣村」が世間の話題に上ったときに「成長産業」と称して林業を持ち上げ、派遣村に集う単に仕事にあぶれただけの人へ向けて「林業でもやれば」等と宣う人もいたわけです。どう見ても素人が手を出すべきでない業界のトップクラスに属するように思えてならないのですが、平気で林業を勧める人が存在したことには恐怖を覚えました。

 ……で、今は原発労働に対して怒りの拳を振り上げている人が多いわけです。林業その他よりも危険な仕事であるようにはどうしても考えられないのですが、やっぱり話題性やニュースバリューがないとダメなのかな、と暗澹たる気分になります。ちょっと珍しくて世間を賑わすようなものではないと、誰もそこに関心は払わない、逆に頻繁に話題に上るようになると、そればっかりが問題であるかのようにヒートアップする、そして他のものには目もくれなくなる、私としては肩をすくめるほかありません。どこでもリスクは少ないに越したことはないですけれど、何か特定の「話題性のある」代物ばかりが脚光を浴びて、その一方で日常的なものは後ろに追いやられている、そんな気がしてならない日々が続いています。

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