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検察の人事 解釈の口頭決済はルール違反

コロナウイルスのニュースが前面に出ている中で、国会で、とてもまともとは思えない政府の答弁が、検察の人事について行われていることを見逃すわけにはいきません。政権に近いとされる黒川弘務高検検事長の定年延長を巡っての森法相などの答弁です。

1981年に国家公務員法改正で定年延長規定が新設された際には、この規定が検察官には適用されないという見解を、政府が文書に記していたことが判明しています。その際の想定問答集に、検察官について「年齢についてのみ特例を認めたのか。それとも全く国会の定年制度からはずしたのか」という質問を設定し、回答の中で「勤務の延長」について「適用は除外される」と明記している、とのこと。

今回の定年延長問題を巡っての政府の対応は、その場しのぎとしか言えません。2月3日に、検察庁法に定年年齢が明記されているにもかかわらず、1月31日の閣議で延長を決めたことについて、森法相が国会で「国家公務員法の規定を適用した」と答弁。10日に、「同法は検察官には適用されない」という政府見解があることを野党議員が指摘。

12日に、人事院の局長がこの見解について「現在まで同じ解釈を続けている」と答弁。13日に、首相が「今般、適用されると解釈することとした」と答弁。19日に、人事院の局長が、先に答弁した「現在」とは1月22日のことだったと修正。誤った理由は「つい言い間違えた」と。20日に、解釈変更の証拠として人事院が示した文書に、日付がないことが判明。法相は「必要な決済をとっている」と答弁。

21日に、法務省の事務方が予算委員会理事会に「日付を証拠づける文書はない」「口頭による決済を経ている」と説明。25日に、法相が会見で「口頭でも正式は決済だ」と表明。といった経緯を見ても、おかしいことがわかります。法相が、既存の法律の解釈変更を、口頭で決済しても問題ないという認識を示したことは、大きな問題です。すでに確立している法解釈を文書も残さずに変更したのでは、検証もできません。

何でもありの今の政権では、文書を破棄したり改ざんしたりしてきましたが、今回は公文書の作成すらしない口頭決済というのは、法治国家としてルール違反だと思います。定年延長については、自民党の幹部からも説明を求める声が出ているとのこと。検察内部からも批判がある、と報じられています。政府は、こうした声をしっかり受け止め、今回の定年延長を撤回すべきだと思います。

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