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手遅れになる前に。「今そこにある危機」

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ダイヤモンド・プリンセス号における隔離、失敗したことは明白だ。

3700人の乗客・乗員のうち、発症されたのが約700人。実に19%。さらに、本日の財務金融委員会の質疑によれば、隔離にあたった政府職員の発症者が4人、検疫官が1人、DMATの医療者が1人の計6人。

しかも、下船前の陰性者のうち28名に発熱などの症状が出ているという。この方たちは、いずれも公共交通機関で帰宅された方たちであろう。

ここで否応なく想起されるのが、隔離方法の不徹底を訴えられた岩田教授。教授は、2時間船内におられただけで症状が出ていないにもかかわらず自らを自主的に隔離されている。プロからしてみれば当然の行為なのだろうが、厚労省はそうは考えなかった、ということなのだ。

厚労省がダメダメなのは、今日の財務金融委員会における質疑でも露呈した。パンデミックなどの対応ができる専門家組織があるか?という私の質問に対し、「国立感染症研究所」などの名前を挙げて感染症対策の専門組織があるかのような答弁をされていたが、この研究所はその名の通り、学問的な研究組織。日本にはこういった非常事態において現場で活動できるCDCのような専門組織がない。

CDCは人員1万4000人、年間予算が8000億円を超える巨大組織だが、こういった事態に対処するのは2009年の同時多発テロや炭素菌テロの教訓から同年中に早くも発足されたEOC(緊急作戦センター:Emergency Operation Center)あるいはEIC(Epidemic Intelligence Service)という、今回のような突発的な感染症発生時に疫学専門家が感染経路特定のために即応する、「病気の探偵」と呼ばれる疫学の専門家チーム。

こういった専門組織のノウハウや日頃からのシミュレーションなくして万全の備えなど出来るはずもない。隔離対策など、アリの一穴で崩れる。万全でなければ、「努力していた」では意味をなさない。

突発的な感染症のエピデミック(非感染地域での流行・通常の範囲を超えた流行➡︎アウトブレイク(大規模なエピデミック)➡︎パンデミック(世界の異なる地域でのアウトブレイク)への対処には、専門的なチームによる日頃からの検討と実践が不可欠なのだ。

今回のCOVID―19がどのような経過を辿るか未だ不明であるが、人類にとって致命的と言えるまでの病態ではないようだ。しかし、過去の例をみれば、ペスト、天然痘、スペイン風邪と、致命率と易感染性を兼ね備えた感染症が人類を危機に陥れた例がある。

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