- 2020年02月25日 07:00
【日本の危機管理】
G20財務相・中央銀行総裁会議がサウジアラビアで開かれ、23日に閉幕しました。共同声明では世界経済について「来年にかけて緩やかに上向くことが見込まれるが、成長は鈍いままで貿易をめぐる緊張など下振れリスクは根深い」と盛り込みました(声明のURLは一番下)。
感染者は韓国やイタリアなど世界各国にどんどん広がっています。また、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船の日本政府の対応に厳しい報道が相次いでいます。
WSJはStocks Slide as Virus Cases Accelerate Outside of Asia(新型コロナウイルス、アジア域外の感染拡大で株価下落)の中で、24日、韓国で株価が急落したほか、イタリアで感染が広がっているヨーロッパでも株がが大きく下がっていると報じています。
日本は祝日で株式市場が休みでしたが、韓国の状況から警戒感が高まっていて、高齢化が進む日本でこれだけ感染者が増えていることから夏の東京オリンピック・パラリンピックが予定通り開催できるのか注目されているということです。
New York Timesは、’We’re in a Petri Dish’: How a Coronavirus Ravaged a Cruise Ship(「われわれはモルモットだった」と乗客、コロナウイルスがクルーズ船を破滅させるまで)は、これでもかと日本政府を批判しています。
▼2月2日に感染がわかったあとも船内を封鎖せず最初の感染判明から72時間も放置したこと、▼2週間のずさんで効果のない隔離をしたこと、▼発熱した乗客が検査を受けられないまま部屋に残されたこと、▼医療スタッフの中には不十分な防護服で作業していたこと、▼体調不良の船の乗員が共同で寝泊まりしてそのまま仕事を続けたことで検疫の効果を台無しにしたことなどなど。
これをfloating epidemiological disaster(船上の疫学的人災)と総括。記事のタイトルは、カリフォルニア州出身の男性が「われわれはシャーレの上にいた。実験に利用され、われわれはモルモットだ」という発言からとっています。
CNBCはCoronavirus outbreak, economic ills dim luster of Japan’s Olympic year(コロナウイルスが本来オリンピックイヤーで沸き立つはずの日本に陰り)の中で、本来だったら東京オリンピックに向けてスポットライトを楽しんでいるはずの安倍首相と自民党が守りにまわっていると報じています。
政権が国内外から新型コロナウイルスの感染拡大への対応をめぐり批判にさらされていて、とりわけ問題になっているのが3700人が横浜港に留め置かれたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」への対応だったとしています。
去年10月から12月までの3か月間の日本のGDPは10月の消費税率の引き上げ、米中貿易摩擦、日韓関係の悪化を受けて6.3%のマイナスとなり、年明け後は新型コロナウイルスの感染拡大で主力の中国からの観光客が激減。
日本政府はこれまでのところ、1万1000人の選手が来日するオリンピックは予定通り7月に開催すると主張しているとしています。
★G20財務相・中央銀行総裁会議の声明はこちら。クリックして開かない場合にはコピペしてください。
https://g20.org/en/g20/Documents/Communique%CC%81%20Final%2022-23%20February%202020.pdf