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  • 2012年07月25日 23:19

日本のオスプレイ報道の問題点(中国に対する視点から)

玄葉外務大臣は24日の参院予算委員会で「尖閣諸島は日米安全保障条約の対象である」と発言しましたがこれに対する中国側の対応について少し。

1 中国外交部の反応

当然の如く中国外交部はこれに対し、反対の意を唱えるわけで、スポークスマンは以下のように述べております(『中国新聞網』「日方称钓鱼岛适用美日安保条约 中方坚决反对」)。
釣魚島は古来から、中国固有の領土であり、中国はこの点で争う余地のない主権を有している。

第二次世界大戦以後、日米が日が中国の領土である尖閣諸島を勝手に譲り受けようともこれは不法であり、無効だ。

日米安全保障条約は冷戦時代の産物で、日米の間だけのことであって、中国を含む第三者の利益を損なうべきではない。

中国は、関連国がこの地域の平和と安定の手助けとなることを、多くしてくれることを希望する。

2 『環球時報』の記事

これはある意味予想どおりの反応で、これだけでは面白くないので、もう1つ記事を紹介させていただきます(『環球時報』「日称美日同盟适用钓鱼岛 借希拉里撑腰恫吓中国」)。
日本は24日に再度アメリカという大きい旗を高く掲げ、中国を脅かしている。日本の玄葉外相は「釣魚島は日美安保の対象となり、これは既にアメリカのヒラリー国務長官も認めている。」と国会で述べた。

玄葉外相の言葉の中に、警告や(中国に対する)対抗といった用語は無かったが、アメリカ『ワシントン・ポスト』では釣魚島の問題と日米安保を関係づけることは、中国に対する最も強硬な対応と述べている。

釣魚島「国有化」に始まり、アメリカの「オスプレイ」の沖縄への配置など、日本のメディアは野田政権は「中国をつついて、石原慎太郎に向いていた中国の怒りの風向きを奪い取ることも厭わない」と驚いて報道している。

日本のサイトニュースは、野田政権がこのようにする理由として、保守的な勢力の支持獲得としている。「選挙情勢が厳しく、自民党に絶えず押されている状態で、野田首相が率いる民主党は益々頻繁にボクシングのクランチ戦術を使用する」と評論している。

これと呼応して、アメリカの高官は最近、釣魚島問題についての態度を益々はっきりさせており、舞台の後ろから前面に出てきている。

中国の学者蘇浩は、日本の外相がこの様な発言をしたのは外交政策の「探査シグナル」を出しているのではないかとしている。

そして、それは日本の対中政策と日米安保条約が質的に何か変わってわけではないとも述べている。蘇浩の予測によると、日米中は、釣魚島の問題について、より高い政治ゲームと力の比較をする段階に達したのではないかとしている。

3 個人的感想

この記事を取り上げた最大の理由は、どうしても日本でオスプレイというと、事故の問題や基地返還問題という観点からの報道しかなされておりません。

しかし、実際オスプレイが沖縄に配置される目的は、中国の認識のとおり、中国に対抗するためで、領土保全とか、安全保障といった観点からどうなのかという報道がなされていないのは、如何なものかと思った次第です。

確かにかつてマスコミは戦争に協力したという苦い記憶があるかと思います。しかし、今の状態は「羮に懲りて膾を吹く」様なもので、安全保障という観点からの報道しないというのはおかしいのではないかと思っております。

その上で国民がどう判断するかという問題かと私は思っております。マスコミが報道しないということは、ある意味国民に対し、考える材料を提供しないということで、ある意味マスコミの責任放棄ではないかとも思っております。

既に中国では領土問題について、日本に対する対処法などがいろいろ報道されているような状態で(尖閣問題について中国人が考えた対処法)、別にこれに対抗しろなどと言うつもりはありませんが、何も考えないのだけは止めてもらいたいと思った次第です。

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