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仏激震 わいせつ動画流出で

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ピョートル・パブレンスキー容疑者 出典:wikimedia commons : Dmitry Rozhkov

Ulala(ライター・ブロガー)

【まとめ】

・自慰行為の動画流出でパリ市長選バンジャマン・グリボー候補、出馬撤回。

・動画流出で拘束のパブレンスキー容疑者、露で過激な抗議活動で著名。

・同容疑者の犯罪行為は価値観の違い、表現の自由、インターネットの脅威の要素含む。

フランスの警察当局は16日、エマニュエル・マクロン大統領の推薦で来月のパリ市長選に立候補していたバンジャマン・グリボー氏(42)の出馬撤回につながったわいせつ動画について、ロシア人アーティストのピョートル・パブレンスキー容疑者(35)とその交際相手の女を拘束し、事情聴取を18日に終えた。

パブレンスキー容疑者によってインターネット上に流されたのは、2本の動画とその時に取り交わされた一連のメッセージであり、動画はグリボー氏と見られる人物が自慰をする内容だった。この動画等を受け取った女性は、当時女子大生だったフランス人のアレクサンドラ・ドタデオ容疑者(29)で、数ヵ月前からパブレンスキー容疑者と交際していたという。ドタデオ容疑者は事件への関与を否定している。

▲写真 バンジャマン・グリボー氏 出典:wikimedia commons : Jacques Paquier

動画流出を受け、3人の子を持つグリボー氏は、「家族と私は1年以上にわたり、誹謗(ひぼう)中傷やうそ、うわさ、匿名攻撃、私的な会話の盗聴と暴露、殺害予告の対象になってきた」と語り、そしてその誹謗は、今回この私的な動画の公開で新たな段階に入り、これ以上家族や自分を卑劣な攻撃にさらないためにも出馬を辞退すると述べたのだ。パリ市長選挙は与党「共和国前進(REM)」にとって重要な地点であり、アニエス・ビュザン保健相が急遽代りに立候補することとなった。

拘束されたパブレンスキー容疑者はロシアで過激な抗議活動で知られている人物だ。2013年には、政治的権利に対するロシア政府の弾圧に抗議し、モスクワの「赤の広場」で裸になり、自分の睾丸を敷石に釘で打ちつけるパフォーマンスを行い警察に身柄を拘束されている。2015年には、モスクワで9連邦保安局(FSB)本部の正面玄関に火をつけ、この件でもまた警察に身柄を拘束された。その後、身の危険を感じたことが理由で、2017年にフランスに亡命してきたのだ


動画 身柄を拘束されるパブレンスキー容疑者

ロシアでの時と同様に、今回パブレンスキー容疑者が起こした事件は、「価値観の違い」、「表現の自由」、「インターネットの脅威」など、多用な要素が含まれており、フランスでも大きな衝撃を与えている。

■ 価値観の違い

これまでフランスは、政治家が家族以外の異性関係があったり性的な問題があがっても、それは純粋な個人的問題であり業績とは関係ないとすることは、特にフランス政界では普通のこととされてきた。しかし、このロシアからの亡命者の価値観では、到底、許せないことだったのである。

パブレンスキー容疑者はグリボー氏について、「多様なセクシャリティを持つことは当然のことだが、彼は常に家族愛を持ち出し、家族のための市長になりたいと話し、自分の妻や子どもを繰り返し引き合いに出す人物だ。だが、実際は逆のことをしている。私は現在フランスに住んでいるパリジャンです。有権者として許せませんでした。」日刊紙リベラシオンに電話で述べている。

日本でも不倫は許せないと言う傾向が強いが、現在では多少は変わってきているものも宗教色が強いロシアでも、家族以外に性的関係をもっていることは道徳的に許せないという感覚の人は多いという。日本がロシアがと言うよりも、多くの先進国の中でも状況はほぼ同じであり、どちらかと言えば家庭外恋愛に対してとても寛大で、公私を分けることが徹底しているのは、フランス独特の価値観ともいえるのかもしれない。

フランスでは、亡命者や難民はフランスについて学ぶコースが義務付けられている。そして、語学教育の中でもフランス文化を教えることに大きく時間を割く。しかしながら、その中でも、こういった自由恋愛の価値観や、私生活と公的生活は分けて考えるという価値観は教えられているとは到底考えにくい。最終的には、本人のモラルに頼ることとなる。しかし、そのモラルが各人によって違えば、到底受け入れられることと、受け入れられないことも変わってくることとなるのだ。家族が居ながら他の女性と性的関係を持ちながら、「家族を大事にしています」と言い続けることは、フランスの価値観では正当でも、パブレンスキー容疑者にとっては単なる「偽善」に聞こえたのだ。

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