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『パラサイト』パク家主人の設定から見える韓国貧困層の“希望”

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韓国映画101年の歴史上初であると同時に、非英語映画の作品としては初めての快挙だった映画『パラサイト 半地下の家族』(以下『パラサイト』)の米アカデミー賞4部門受賞。

『パラサイト』の主人公は、“半地下住宅”に住み、しがない内職で生活をつなぐキム家の4人。彼らが、巧みな手を使って裕福な家庭・パク家の家庭教師や運転手、家政婦につくことで、彼らに“寄生”していく様子を描いている。

韓国国内には、実際におよそ86万人が半地下・地下住宅に住んでいると言われている。『パラサイト』は「韓国における経済格差をリアルに切り取った映画だ」という意見も多い。

20日、文在寅大統領はポン・ジュノ監督ら制作陣や出演者たちを大統領官邸・青瓦台(チョンワデ)に招待し、昼食を共にした。文大統領は「映画産業の隆盛をしっかり支援する」としながらも、「不平等の解消を最高の国政目標にしているが、反対も多く、すっきりとすぐに成果が現れない」とポン・ジュノ監督に語った。

「物語終盤、キム家とパク家の間に“大事件”が起きることでクライマックスを迎えます。監督は、このまま貧富の差が広がれば、やがて“事件”が起こることを危惧しているのではないでしょうか。文政権下で不景気にあえぐ韓国社会に対する不満や富裕層への怨恨は、爆発寸前まで来ていることを映画で伝えたかったのかも知れません」

そう語るのは韓国人の作家・ルポライターの柳在順(ユ・ジェスン)さん。映画にこめられたメッセージについて解説しながらも、「貧困層の『希望』を描いてもいる」と付け加える。

「富裕層を代表するパク家の主人はIT社長という設定でした。しかし、彼の両親については一切語られないこと、さらには財閥系ではない会社の社長であることから、“パク家の主人は富裕層に成り上がったタイプなのではないか”と韓国の人は感じています。韓国国内の大企業は財閥系であることがほとんどで、“半地下”の家庭に生まれた子どもは彼らのようなトップにはなれない。これが現在の経済格差の原因であることは韓国国民もわかっていますが、起業してIT社長になれば、富裕層になれるかもしれない──と考えている人は少なくありません」

パク家主人の過去は、もう一つのシーンを見ても推察できるという。

「パク家夫婦が、“チャパグリ”が好物だということを語るシーンがあります。これは韓国国内で実際に売られている『チャパゲッティ』『ノグリ』という2種類のインスタント麺を混ぜて作る手軽な料理で、いわゆる“庶民の味”。しかも、そんな庶民の食事に牛肉を加えるのがパク家の好み。富の象徴ともいえる牛肉をわざわざ足していることから、パク家主人は“半地下からの成金”なのではないかと、観る人に印象を与えているのです」

運転手や家政婦を雇い高台の豪邸で暮らしていたが、ひとつのことがきっかけでトラブルの渦へと巻き込まれていったパク家の人物たち。あなたの目には、この主人はどのように映っただろうか。

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